いま全国のスーパーで導入が進むセルフレジ。ところが、その便利さにつけ込んだ、悪質な万引き被害も相次いでいます。卑劣な犯罪にAIで対抗、最新の防犯対策を取材しました。

安い商品のバーコードで高い商品を買う悪質な手口も

南波雅俊キャスター:
セルフレジ自体が増えてきたのと同時に、セルフレジの万引きも増加しているということです。

万引きGメンの伊東ゆうさんは「手口がどんなに巧妙でも、全ての行動を防犯カメラが記録している。逃れることはできません」と指摘しており、カメラは「空スキャン」「単品打ち」「もやしパス」など、さまざまな手口を捉えています。

【空スキャン】
商品パッケージにはバーコードがついていますが、バーコードではない部分をレジに通すことで、周りからは通したように見える(万引きには見えない)という手口です。

また、バーコードを少し隠してレジに通すと反応しないため、これも「空スキャン」という形で考えられます。

【単品打ち】
たとえばビール6缶分のセット商品には専用のバーコードがついていますが、セット内の1缶1缶それぞれにもバーコードがついています。6缶分のバーコードのほうではなく、1缶分のバーコードだけをレジに通すことで、1缶分の料金で買ってしまうのが「単品打ち」の手口です。

【もやしパス】
もやしなどのバーコードをあらかじめ手に忍ばせておき、他の商品のバーコードの上に重ねてレジに通す手口です。

もやし以外にも駄菓子のバーコードを使うなど、かなり安い価格のもので高い商品を買っている例があります。

ただもちろん、セルフレジの万引きは追跡が可能です。POSシステムで「売り上げ」や「在庫」をリアルタイムで管理できるからです。

もし売り上げと在庫が合わない場合には、防犯カメラの映像をさかのぼって確認できるため、万引き犯を特定できます。

日比麻音子キャスター:
私もレジ打ちのアルバイトをしていたことがありますが、そもそも登録がない商品は記録ができないようになっているはずです。そこをかいくぐって万引きしているということですものね。

山内あゆキャスター:
ただ、防犯カメラにしっかりと証拠が残っていて、逃げることはできないということですよね。

南波キャスター:
防犯カメラに囲まれていて記録も残りますし、捕まるであろうことがほぼ確実な状況ですから、本当に万引きはしないでほしいです。