ロシアのカムチャツカ半島付近で7月30日に発生した巨大地震を受けて、青森県八戸市では一時「津波警報」が発表されました。多くの店が、東日本大震災の教訓を踏まえ、臨時休業する対応をとりました。

八戸市で7月30日、東日本大震災以来、14年ぶりに発表された「津波警報」。市民や商業施設は、東日本大震災の教訓を生かしながら、迅速に避難したこともあり、けが人はいませんでした。

八戸港につながる新井田川沿いの「八戸酒造」。7月30日は、川の水位の変化が確認できたといいます。

八戸酒造 奥沢祐介 次長
「一度、近くの新井田川の水が引いて、そのあと徐々に水位が上がってきて、それが何回か繰り返しているのを確認していました。東日本大震災の記憶がありますので、大きな津波が来たらどうしようという不安はありました」

八戸酒造では当時、約30人が出勤していましたが、すぐに職員全員が館鼻公園へ避難し、店は午後、臨時休業にしました。

八戸酒造 奥沢祐介 次長
「幸いにも大きな津波がきていなかったので、これであれば自宅に返しても大丈夫だと判断して、午後の作業は切り上げました。お子さんが家庭に残っている従業員もいましたので、自宅に帰すことを指示しました」

ほかにも、八戸市内では家電量販店やショッピングモールなど多くの店が臨時休業となりました。

その1つ、「サンデー八戸沼館店」です。
「津波警報」が発表された時は、店内に客が30人ほどいて、避難を呼びかけました。このとき、目や足の不自由な客も数人いたことから、従業員が隣接するショッピングセンターの屋上まで誘導したということです。

サンデー八戸沼館店 小澤恵蔵 店長
「東日本大震災のときにいた従業員もいますので、そのときは津波がありまして、一部シャッターの手前まできたということもあり、その経験も生かされたと思います」

気象庁は引き続き、津波への注意を呼びかけていて、避難対策の強化が重要となっています。