能登半島地震で大きな被害を受けた文化財の一つ、石川県輪島市町野町にある国重要文化財の上時国家住宅は、発災から1年半近くたって、復旧に向けた動きが見えてきました。
復旧にかかる費用は今の時点で30億円超、工期は11年。現状と課題について設計監理を行う公益財団法人文化財建造物保存技術協会に取材しました。

※上時国家は、壇ノ浦の戦いの後、捕らえられ能登へ流された平家第一の実力者・平時忠の子である「時国」を祖とする。源氏の追及を逃れるため、姓を「時国(ときくに)」と改め、珠洲市と隣り合う現在の輪島市町野町へ居を移した。その後分家し、上時国家(輪島市町野町南時国)、下時国家(輪島市町野町西時国)に分かれた。上時国家は、「天領の大庄屋」として名字帯刀を許され、製塩業や海運業も手掛けていた。

上時国家住宅は、2024年1月の能登半島地震と9月の豪雨で二度被害を受け、文化庁をはじめ関係団体が復旧に向けた調査を行ってきました。