海上自衛隊の潜水艦修理契約をめぐる不正問題で、懲戒処分を受けた海自トップの齋藤海幕長は会見で、「『見て見ぬふり』や『慣れ合い』の体制は脱却する必要がある」と述べ、謝罪しました。

この問題は、川崎重工業が架空取引で多額の裏金を捻出し、海自の隊員が要望する備品やゲーム機などの私的な物品の購入にあてていたものです。

防衛省の調査では、三菱重工業などの複数の企業でも修理費を水増しする手口で資金を作り、隊員に物品を提供していたことなどが明らかになっています。

防衛省は必要な備品の調達に時間がかかるなど、制度が実情に合っていなかったことが一連の不正行為の背景にあると指摘しています。

齋藤聡 海上幕僚長
「国民の皆様の期待と信頼を大きく損なう不祥事を生起させたことに対し、改めて深くお詫び申し上げます。『見て見ぬふり』とか『馴れ合い』といった体制は脱却する必要があると思っております。『おかしいものはおかしい』と言える雰囲気作りをしっかりと現場目線で作っていきたい」

防衛省は海自トップの齋藤海幕長を減給の懲戒処分としたほか、隊員92人を処分し、今後は調達方法の柔軟化など再発防止に努めるとしています。