バス業界は今、人手不足や利用者の減少で路線の休止や廃止が相次いでいます。こうした中、専業主婦からバスドライバーへの転身を目指す女性が鹿児島市にいます。夢に向かってパワフルに突き進む姿を追いました。

大きなハンドルを動かし、バスを走らせる鍛治美由紀さん(47)。この春から路線バスのドライバーを目指し、研修中です。
(鍛治美由紀さん)「この歳で新入社員なので、ゼロから覚えているところ。なかなかです」
1人の子どもを育て、20年近く専業主婦だった鍛治さん。バスドライバーの夢を抱いたのは、子育てが一段落した2年前でした。

(鍛治美由紀さん)「2年前に徳之島のトライアスロンに出た。その時に友達が借りたレンタカーが、バスだった。友達が運転した。自分もとりたい!とれるかもしれない!って」
その後、教習所に通い、バスの運転に必要な免許を取得しました。入社したのは、JR九州バス鹿児島支店。支店で初めての女性バスドライバーです。

(鍛治美由紀さん)「目立つ色でかっこいいなと、純粋にそこから」
今、バス業界で課題となっているドライバーの不足。JR九州バス鹿児島支店では、鹿児島市と北薩を結ぶ路線バスなどを運行していますが、運転手の数は7年前に比べ3割以上減りました。定期観光バスや貸し切りバスの営業は、休止や廃止となっています。
(JR九州バス鹿児島支店 永里克志支店長)「(一般的に)ドライバーは男性の職場というイメージが強くて、(宿舎など)施設も女性用が少ない。鍛治さんが入ったことで女性が働きやすい設備を準備中。女性の働く場所を開拓してくれたので、頑張ってほしい」