1945年8月10日、岩手県花巻市は米軍による空襲の被害にさらされ、多くの人の命が奪われました。

2025年は終戦から80年、花巻市やその周辺地域の戦争の歴史を紹介するテーマ展が花巻市立博物館で行われています。

会場は序章「戦争の足音が忍び寄る」から「日中戦争」「太平洋戦争」「戦後の日本」など7つの章で構成されており、第二次世界大戦の戦前、戦中、戦後、この地域の人たちと戦争との関わりを示す資料164点が並んでいます。

中でも目を引くのは、岩手県が1944年頃に制作したポスター「木から衣服が出来るのです」です。
太平洋戦争も終盤にさしかかり、衣服を作る綿のような繊維が不足し、各家庭に桑や竹、藤(ふじ)、柳などの繊維の供出を求めています。この時期は桑や竹のような素材で衣服を作っていたことが分かります。

また、「出征する先生への寄せ書き」には「先生頑張れ」「大和魂」などの文字が躍るほか、先生の似顔絵と思われる絵なども描かれており、子供たちの激励を胸に戦地へと赴いた先生の姿が浮かびます。

このほか、昭和20年8月10日の花巻空襲の写真や、北上市にあった後藤野飛行場を飛び立ち、福島県原町(現在の南相馬市)に墜落した「九九式双発軽爆撃機」の機体の一部も展示されています。

第二次世界大戦当時のこの地域の様子が分かるこのテーマ展。
8月24日(日)まで開かれています。(会期中無休)