6月25日、調査チームは阿嘉島へ向かいました。島についた調査チームに、こんな情報が飛び込んできました。

「ウタハの浜へ行きたがっているアメリカ人がいる」と。

男性の名前はマイケル・ホプキンスさん77歳。

北星学園大学 阪井宏 教授
「これがあなたのお父さんですか?」
▼マイケル・ホプキンスさん(77)
「そうです」

なんと、ホプキンスさんのお父さんは80年前の休戦交渉に参加していたというのです。15年前に初めて阿嘉島の休戦交渉について知ったというホプキンスさん。きっかけはYouTubeで偶然見つけたケーブルテレビの番組。その映像の中でお父さんが沖縄での戦争体験を語っていたのです。

▼マイケル・ホプキンスさん(77)
「私の家では父に戦争の事を聞くのは禁止されていました。YouTubeで父の番組を観るまで全く何も知らなかったんです」

ホプキンスさんは父が残した写真やメモを分析し、独自の調査を続けてきました。

▼マイケル・ホプキンスさん(77)
「父はとても良い人でした。敬虔なカトリック教徒だった…。阿嘉島の休戦交渉を知ってからこの15年もの間、私はずっと考えてきました。カトリック教徒である父と、戦場の父はどう折り合いをつけていたのか?この島に来た目的は旅ではなく『巡礼』です。私がまだ分かっていない父の思いを理解することができる唯一の方法だと思います」

お父さんの戦争を追体験するためにホプキンスさんはウタハの浜へ向かいました。

▼マイケル・ホプキンスさん(77)
「信じられない…ほんとうに信じられない。父がいた場所はあのあたりのはずだ。もうこの風景に圧倒されて感情が揺れ動いています」

▼マイケル・ホプキンスさん(77)
「80年前の父親がどこにいたのか、正確に知っているという子どもは世界中を探してみてもそんなにいないはずだ」

ホプキンスさんは80年前に父がいた場所を見つけました。

▼マイケル・ホプキンスさん(77)
「父は日本兵たちが機関銃を構えてこちらを狙っているのが見えたと言っていました。父はとても怖かったと思う。やり遂げたよ、ありがとう」

あの日の父と同じようにウタハの浜で80年後の息子は、世界平和を願いました。