
地附山にある資料館では災害を伝える講座が開かれました。山浦直人さん74歳と、青木勉さん70歳。2人は、40年前、県職員として現場を調査しました。
青木勉さん:「このバードラインのちょうどこの辺りに亀裂が入っていて、7月26日にはその段差が1メートルを超えるとか」
青木さんは、近くの道路などで異常が確認されたことから発生の4日前に現地へ入りましたが、大規模な地滑りを予想することは難しかったといいます。

青木勉さん:「地滑りの起こった地質、起こり方、深さ、速度というのは今まで経験したことのない滑り方でこんな状態で起こるというのは、全く想像できていなかった。いかに地滑りの予測が難しいかということが改めて感じました」
県は、発生から5年間で、総額125億円以上をかけ、鋼鉄の杭およそ300本を埋め込むなどして、地滑りの対策を進めてきました。
青木勉さん:「1人でも犠牲者を出さないような形でやっていこうとこれ(地附山地滑り災害)を契機にして、退職後ボランティア協会に入って活動している」
山浦直人さん:「とにかくいろいろな形で(災害を)伝えることをやっていくとか。微々たることですが、続けられる範囲でやっていく」

40年という年月が経った地附山の地滑り災害。当時の教訓が受け継がれ、今にいかされています。