自動車学校で、交通ルールや安全運転の知識を教える指導員。その教え方の技術を競う大会があるのをご存知でしょうか。心に響く教習をめざし、福岡市で「自動車学校学科教習競技大会」が開かれました。

「自動車学校学科教習競技大会」九州各県の代表が参加

福岡市天神で28日に開かれた「自動車学校学科教習競技大会」。九州各県の代表として選ばれた自動車学校の指導員8人が参加しました。

「表現力」や「説得力」などを審査

審査員を教習生に見立て、授業形式でそれぞれ課題を発表。

声の大きさ、間のとり方、熱意や誠意が感じられるかといった「表現力」や「説得力」のほか、身近な事例をとりあげているかなど、「創意工夫」や「構成力」などが審査されます。

SNSも運転も一緒「ストレスのはけ口にする人がいる」

沖縄県から参加した糸満自動車の指導員・成底悠さん(29)は「適性検査結果にもとづく行動分析」をテーマに発表しました。

糸満自動車 指導員・成底悠さん
「SNSは私たちの生活を豊かにしてくれる一方で、ストレスのはけ口にしたり間違った正義感を振りかざす人もいれば冷静に建設的な意見を発信する人もいます。これは運転でも同じことが言えます」

成底さんは、同程度の運転技術を持っていても、運転者の性格によって運転の仕方が異なることを強調。

「運転をストレスのはけ口にしたり間違った正義感を振りかざして危険な運転をする人もいれば、反対にそういう自分の傾向に気づき改善しながら安全運転を心がけていく人もいます」と説明しました。

“教習生役”の審査員に向け、交通事故のない社会をつくっていくために必要なこととして、「自分の個性を知ることで他人を思いやる行動ができ、これこそが全ての人の命と人生を守る未来へつながるのではないでしょうか」と訴えました。