大阪市阿倍野区にある吉田兼好ゆかりの寺の敷地の一部が心霊スポットとなり、無断侵入者が続出。高校生ら11人が補導されていることが捜査関係者への取材で分かりました。
大阪府警は「夏休みなので取り締まりを強化していく」としています。
「天下茶屋の聖天さん」資金繰り悪化で破産

大阪市阿倍野区松虫通にある「正圓寺」は、939年創建で千年以上の歴史があり、随筆「徒然草」で知られる吉田兼好ゆかりの寺として、地元では「天下茶屋の聖天さん」として親しまれていました。
ところが、寺の敷地内で進められた特別養護老人ホームの建設工事をめぐり、資金繰りが悪化。
元住職の男(58)が差し押さえをまぬがれようと、寺が所有する土地を売買したとするウソの登記申請を行うなどしたとして詐欺などの罪に問われ、去年10月に大阪地裁で懲役2年6カ月の実刑判決が言い渡されました。
その後、寺は債権者から破産を申し立てられ、大阪地裁は6月18日に破産手続き開始決定を出しました。
老人ホームになるはずだった建物が「心霊スポット」に…

近隣住民によりますと、特別養護老人ホームになる予定だったものの、工事が中断された建物が約5年前から“廃墟化”。
最近は「心霊スポット」として、若者たちが肝試し目的で無断侵入するケースが相次いでいるということです。

MBSの記者が現場を確認すると、建物は窓ガラスが割れ、あちこちに落書きがされるなど、荒れ果てた様子になっていました。