タイとカンボジアの国境が定まっていない係争地で武力衝突が発生し、タイ側ではこれまでに子どもを含む民間人ら12人が死亡、31人が負傷しています。

タイとカンボジアの国境地帯で24日、軍事衝突が発生しました。タイ軍によりますと、カンボジア側から発射されたロケット弾が東北部シーサケート県にあるコンビニエンスストアに着弾し炎上。

このほか、近隣のスリン県やブリラム県などにも攻撃があり、タイ保健省は、子どもを含む民間人11人が死亡、24人が負傷したと発表しました。また、タイ軍の兵士1人が死亡し、7人がけがをしたということです。

一方、タイ政府は、タイ軍のF16戦闘機がカンボジア領内の軍事拠点を空爆したと明らかにしました。

両国は今年5月に起きた銃撃戦以降、対立を激化させていて、今回の衝突についても、双方が「相手側が先に攻撃した」と非難しあっています。

武力衝突をめぐり中国外務省の報道官は、24日の記者会見で「タイとカンボジアはいずれも中国の友好的な隣国だ」としたうえで、両国に対話をするよう求めました。

中国外務省 郭嘉昆報道官
「私たちは当面の事態を深く憂慮している。双方が対話や協議を通じて問題を適切に解決するよう希望する」また、「中国は公平な立場を維持し両国の協議を促す」と緊張状態の緩和に向け積極的な役割を担う姿勢を強調しました。