石破総理の進退 いつ判断?

TBS報道局 岩田夏弥 政治部長:
22日の夜から自民党内では慌ただしい動きがありました。まず石破総理が続投の意向を示したことで党内では“石破おろし”の動きが地方も含めて一気に広がりました。

ただ23日になって『日米関税の合意』があり、自民党幹部からは「近く石破総理は進退について判断する見通しだ」という話がありました。

その狙いは全国に広がっている“石破おろし”の動きを一旦落ち着かせるためです。23日、石破総理は歴代総理経験者と会談をしました。

関税交渉も合意をしたので、近く進退について判断するからちょっと落ち着きましょうということで、約1時間20分も話し込んだのですが、石破総理によると「出処進退についての話はしなかった」と説明しています。

しかしこれと前後して一部の報道機関で「石破総理が7月中にも退陣する意向を表明する」という報道もありました。

それに対して石破総理は「私はそのような発言をしたことは一度もございません」と、つまり(歴代総理との会談後)退陣表明をする意向だという報道を打ち消したわけです。

そうなると「一旦 落ち着きましょう」という流れがどうなるのか、“石破おろし”の声が、この発言を受けてまたどうなるのか、注目していかなければなりませんね。

今後のスケジュールを見てみると…

井上貴博キャスター:
困難を極めた日米関税交渉について、相互関税を25%から15%に引き下げたことなど、最後の土壇場でまとめ上げたことは評価してもいいものなのでしょうか。

石田 健さん:
まだ評価はしづらいと思いますが、『相互関税15%』という数字を見たときに、私個人的には妥当というか、ある程度の着地点だなと感じました。ただ国民にどう評価されるかはまた別だと思います。

今、少数与党の自民党は、旧民主党に政権を渡したとき以上の危機に直面していると思います。おそらく“石破おろし”をしている人も、されている側も、また野党もこの先どうなるかわからないといった状況になっています。

このような場合、本来であれば“関税”や、選挙の争点だった“減税”といった未来に向けての政策の話をしていくことで国民の支持を得たり、方向性をまとめ上げなくてはいけないのですが、自民党は“石破おろし”ばかりに向いてしまっている。よって野党がどれだけ存在感を発揮できるかというのも一つの焦点になってくるのではないでしょうか。

出水麻衣キャスター:
石破総理が今後について話すタイミングはいつ頃になるでしょうか。

TBS報道局 岩田夏弥 政治部長:
自民党両院議員懇談会が7月28日に前倒しになるという話も出ています。さらに8月は『広島 原爆の日』『長崎 原爆の日』『終戦の日』といった重要な予定が控えています。
その後もアフリカ開発会議や、参院選結果の検証も行うのではないかといわれていますので、それを受けて石破総理は最終的に判断をするのではないかとみられています。

ただ退陣を求めている人たちはこの1か月の間、そのまま収まっていられるのかまだわからないところで、この間に何ができるのか、石破総理や森山幹事長が考えるところなのだと思います。

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<プロフィール>
石田 健さん
ニュース解説メディア「The HEADLINE」編集長
鋭い視点で政治・経済・社会問題などを解説

岩田夏弥
TBS報道局 政治部長 元官邸キャップ
小渕総理以来、主に政治取材を担当