“ラブレター”で熱烈オファー 二人つなぐキーパーソンも

長谷川:でもその中で、今回すごく良かったなと思うのが、間に入ってくださる「日音」(TBSグループの音楽出版社)の担当の溝口(大悟)さんという方が、僕が内澤さんに書いてほしいと話したら、本当にポジティブに「内澤さん、すごくいいですね」と言ってくださって。
内澤:ええ! 本当ですか?!
長谷川:そうなんですよ。内澤さんは、溝口さんとは古くからのお付き合いなんですよね?
内澤:そうですね。2013年にリリースした「Missing」という曲のサビで、僕の地声と裏声の2パターンを聴いていただいた際に、溝口さんから「裏声のサビの方がいいのでは」と助言を頂いたりして。
長谷川:今回、溝口さんが「内澤さんに書いてもらうのはすごくいいアイデアだと思います」とすごく乗ってくれて、間に入って交渉もしてくださって。それで僕からも「一度お話を聞いてください」みたいな感じで、直接お会いしたんですよね。
内澤:そうでしたね。
長谷川:それで、ほんとに恋人になってほしい人に告白するように「皿も洗うし、洗濯もするし、必ず玄関から見送るし」みたいな感じで。
内澤:いつの時代の価値観ですか…!(笑)
長谷川:もう、とにかく熱意を説明させていただいて。あの時、内澤さんから、ある程度イメージとか伝えてくれるとうれしいみたいなお話を頂いて、それで「分かりました!」みたいな感じで。「こういう音楽がいいです」っていう“ラブレター”を書き始めた感じですよね。
内澤:そのラブレターが、もうすごい熱くて、涙が出るような。
長谷川:はははははは。こんなに曲数を書かせるのかよ、みたいな(笑)
内澤:いやいやいや、そんなことないです(笑)。本当に気持ち的な部分はもちろん強いんですけど、それ以外にも、やっぱり時間がかかるっていうのもちゃんと想定してくださっていて、その配慮をしてくださったのも、非常にありがたかったですね。ちゃんと時間のスペースを作ってくださった中で、お話をしてくれたっていう。周りから聞く話だと、多分普通のドラマだったらあり得ないと思います。
長谷川:通常だと3、4か月ぐらいですかね? お会いしたのは、たしか去年の暑い頃でしたよね。
内澤:そうなんです。で、その時は「仕事が詰まっているので、この辺りからはできると思います」みたいなところで。それを考慮しても時間があるっていう状況で、やりませんか?と話をくださって。溝口さんからも、「こんな話はないよ」みたいな感じで、2人でこう…(笑)。
長谷川:今回レコーディングのトラックダウンの時も、溝口さんの熱量も高かったですもんね。
内澤:お二人が来てくださって、すごく貴重な体験でした。それだけ心配だったっていうことですかね?
長谷川:いえいえ、それだけ力が入っていたっていうことだったと思います。だから僕にとっても、今回溝口さんのサポートがすごく大きかったです。溝口さんは内澤さんと出会ったぐらいの時のことも覚えていらして、「その時からすごい才能があると思っていた」とおっしゃっていたので。
内澤:お二人とも、出会った時の曲が、自分の人生の中でも大事な曲の時だったんです。長谷川さんの『End roll』『Shout』の時もそうですし、溝口さんの『Missing』の時も。活動を続けてもう16年目ですけども、その延長線上にお二人が重なって、さらにご一緒する機会が出てきたというのは、すごい縁だなと思って。それで熱烈な想いを伝えてくださって、もうほんとに涙が出そうで。「できるかどうか分からないので、ほんとに一生懸命やります」とお話しました。