「鳥肌が立ちました」 内澤渾身のギターソロ

長谷川:具体的な曲で言うと、メインテーマは聴いたら忘れない、作品の顔になる曲。内澤さんの作曲家としての力量や才能を信じているので、もう絶対良いものが上がってくると。あとは、やっぱりこの作品の7話までは“陣内”で引っ張っていくんです。陣内の、悲しみを帯びた復讐というのは、テーマとしてすごく大事だったので。
内澤:あと、メインテーマに関しては、一番初めの頃イメージして話していたのは、もうちょっとミニマムというか…。
長谷川:確かにそうでしたよね。2分ぐらいでいいって。
内澤:そうですね、いろんなメロディーがあるというよりは、一つのフレーズが淡々と、みたいなパターンの。僕のイメージだと、あんまりポップな感じではないというか、華やかではなく、もう少しループっぽいというか。シンプルでかっこいいものっていうようなイメージもけっこうあって。で、そういうイメージで最初作っていったりもして、2パターンくらい作ったんですよね。
長谷川:はい、作っていただきましたね。で、大変申し訳なかったんですけど、メインテーマに関しては途中で監督から、5分ぐらいのものがいいという話があって、「え?! 内澤さん、ごめんなさい」って。
内澤:いえ、でも結果、シンプルでかっこいいものっていうイメージだったのが、そこからいろいろと、華やかになるような感じに全体的にブラッシュアップしていって、今のようになったんですよね。
長谷川:そこからのメロディーの展開がちょっとすごすぎて、やっぱり内澤さんの表現力ってすごいなと思いました。もともとかっこよかったんですが、そこから転調とか、静かになる感じとかを作っていただいて。で、また最後の最後にガーッと盛り上がって、もうすごいじゃんと思って。それと相対して、悲しいロック調の陣内のテーマも、ほんとに鳥肌が立ちました。
内澤:いや、普段レコーディングにドラマのプロデューサーさんとかがいらっしゃることはなかなかない中、お忙しいところ合間を縫って来てくださって、うれしかったです。
長谷川:陣内のテーマも、編集で上がってきたものに自分で勝手に付けてみたりして、やっぱり震えるんです、すごい感情移入で。それでデモから聴いていて、レコーディングに参加した時に、「わっ! 内澤さんのギターソロが付いてる!」って、めちゃくちゃかっこよくて、あれはすごかったです。幸せでしたね。
内澤:ギターソロは、僕はバンドではほとんどやる機会がないというか。
長谷川:魂が震えました。その時たしか内澤さんが「普段バンドではやらないんですけど、ここぞとばかりに、やります」みたいなことをおっしゃっていて。それが可愛らしくて。
内澤:そうですね(笑)。「これぞ!」みたいなのは、あんまりやらなくて。「ここだ!」と思って。
長谷川:本当にかっこよかった。
内澤:はい、少しだけ自分の色を…込めさせていただきました(笑)。
長谷川:一瞬、そのギターソロ聴いてもらってもいいですか?
(長谷川プロデューサーの提案で「録れたて」の音源に一同聴き入る)
内澤:僕は普段は歌ってギターを弾いて、ギターは別でギタリスト(ギター&キーボード担当の佐藤拓也)がバンドにいるので。今回は普段ギターソロをしない分、弾きまくりました。とても楽しかったです。でも、大変でもありました。「長谷川さんのイメージ、劇伴というより、1曲バンドとしての曲!」って思って。
長谷川:はははははは。そうですよね。もうそのクオリティーですよね。これ、シングルで出せますもん。
内澤:そうそうそう、イメージはそうなんです。もうシングル出すようなイメージで、1曲作ったみたいな感じがあって。
長谷川:そう、そのパワーがあるんですよね、陣内のテーマは。やっぱりスタッフも反応するんですよね、「この曲すごいですね!」って。メインテーマと陣内のテーマは、やっぱりすごい反応がありますね。
長谷川:ぜひ、andropさんのライブでやってもらいたいですね。
内澤:そうですね! できるできる、全然できます(笑)。
