明るい気持ちに…天井に広がる“青い空”

天井には、「どりーむず」と同じように、青い空が広がっています。寝たきりでも、明るい気持ちになってほしいという思いが、込められています。

笠間さん「もしかしたらその日は、心が曇り空とか、雨の日もあるかもしれないんですけど、ここに来たらまた天気になれるといいなと思って、一緒の青空にしています。職人さん、すごく大変だったって。天井がすごく広いので、つなぎ目をきれいに作るのが大変だったということで…」

直前まで工事が続き、施設の引き渡しは、前日の6月30日に。完成を待つ利用者のため、スタッフとともに、工事関係者も力を尽くしました。

施工を担当した若本征史さん「みなさんの力をお借りして、何とかここまでたどり着けたなって感じで、ほっとしています。笠間さんの考えているお気持ちとか、ここで働いてらっしゃるママさんの気持ちを肌で感じていますので、何とかその要望に応えなきゃいけないっていう使命感ではないですけど、私が何とか動いて、みなさんの希望に沿えるような、そういう施設を作ってあげられれば、一番貢献できるのかなと思っていましたので…」

笠間さん「利用者さん1人1人をイメージしながら、この子だったらこういうふうにやると使いやすいかなとか、この子だったら、こういうトイレだったら使いやすいかなとか、イメージしながら作り上げていったので、これから通ってくれる子どもたちも、どんな顔するかなとか、楽しみですし、まだお会いできてない方もこれから利用していただけるかもしれないので、新しい出会いも楽しみですし…」

「かむ」は2020年に一度、オープンしましたが、前の年の台風19号による水害の後だったこともあり、運営を軌道に乗せるため「どりーむず」と統合しました。新たな場所で、5年ぶりの復活となります。

「どりーむず」でも近くの住民とともに、障害児の避難訓練を行うなど、地域を巻き込んだ活動を続けてきた笠間さん。災害時など、いざという時に、地域のつながりは欠かせないと考えています。その思いは「かむ」でも同じです。

笠間さん「(開所前に)近所の企業さんにごあいさつ行かせていただいて、工事してるの見ていたけど、何ができるかなと思って見てたんだよなんておっしゃっていただけたので、あと『ままはーと』っていう名前をご存知の方もいらっしゃって、私、好間なのよねなんて言ってくださる方もいて、ちょっと少し広がってるかななんていうのを感じているので、まだまだこれからも認知度を上げていきたいと思います」

スタッフ、利用者とその家族、そして多くの関係者の思いが詰まった新たな場所、「かむ」。「ままはーと」の夢は、これからも続きます。

笠間さん「子どもたちも、ご家族も、私たちスタッフも、みんなでワクワクできるようなイベントとか、活動を考えながらやっていきたいと思います」