高齢者世帯の所得の63.5%が「公的年金・恩給」 年金だけで暮らす世帯は4割超
65歳以上の人のみ、またはこれに未婚の18歳未満の人が加わった「高齢者世帯」の1世帯あたり平均所得金額は314万8千円です。
その収入の内訳を詳しく見ると、「公的年金・恩給」が63.5%を占め、家計を支える最大の柱となっています。一方、給与や事業収入などの「稼働所得」は25.3%にとどまり、多くの高齢者が定年などを機に、現役を退いていることがうかがえます。
さらに深刻なのは、年金への依存度の高さです。公的年金を受け取っている高齢者世帯のうち、総所得の全て(100%)を年金が占める、つまり年金以外の収入が全くない世帯は43.4%にものぼります。そのため、年金制度の動きひとつで暮らしが大きく変わってしまう、非常に不安定な状況にあることが分かります。

年金を主な収入源としながら、子どもとは離れて一人で暮らす。これが現代日本の、特に高齢女性が直面するひとつの典型的な姿と言えそうです。介護や見守り、社会的な孤立といった、新たな課題がここから見えてきます。
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