イギリス政府は、インターネット上で女性蔑視に関するコンテンツが拡散していることを受けて、学校で子どもたちに女性蔑視の防止教育を行うと発表しました。

イギリス教育省は15日、初等教育から中等教育までの生徒を対象にした「人間関係・性・健康教育」に関するガイドラインを改定しました。

新たなガイドラインによると、「ミソジニー」=女性蔑視・女性嫌悪に繋がるネット上のコンテンツや、「ディープフェイク」による偽の性的動画などに対して、正しい知識をつけるための授業が年齢に応じて導入されます。

また、「インセル文化」についての授業も行われるということです。

「インセル」とは、女性との交際関係を築けない男性が自らの問題を女性たちのせいにして憎悪を示すネット上の男性グループを指します。2021年には、イギリス南西部で「インセル思想」に影響を受けたとみられる男が銃を乱射し、5人を殺害する事件が起きました。

今年3月には、こうしたネット上での「女性蔑視」や「インセル文化」に焦点を当てたドラマ「アドレセンス」が話題となり、社会的な議論を巻き起こしました。

教育省のデータによると、11歳から19歳のうち54%が過去1週間のうちに女性蔑視発言を耳にしたと回答していて、フィリップソン教育相は、「子どもたちがネット上の悪意に対抗できる力を備えてほしい」と話しています。

新ガイドラインは、来年9月から実施が義務付けられます。