遺物さえも朽ちてしまう時代 記憶を残していくためには
九州大学のグループが3Dモデル用の写真を撮影してから10年。
海底のエモンズにも変化が見られます。

九州大学 菅浩伸 教授
「もう完全に繋がってしまってだいぶ様子が変わっていますね。実際これだけ早く劣化が進んでくるとは思っていませんでした」
船首付近の穴はこの10年で大きく拡大したことが分かります。

さらに、10年前は形が残っていた船の後ろ側の砲塔は崩れ落ちて海底に落下していました。

九州大学 菅浩伸 教授
「これが上を向いていた。上にあるのが台座ですね。台座は戦艦にくっついていたんですが、それが剥がされています」
戦後80年が経ち戦争の証言者が減り続けている中、「物言わぬ語り部」とも呼ばれる戦争の遺物。
その遺物も年々劣化が進んでいるのです。

九州大学 菅浩伸 教授
「実際に証言をしていただける方が少なくなっています。そういう現状では、やはり物が語っていく時代になっていくだろうと思います。ただその物もだんだん劣化をしていく。そうすると、やはりそれを忠実に残した、こういうモデルを使って語り継いでいく、そういう時代になってくるのです」