教官たちも特攻隊になった 悲しく重い戦争の実像

戦争が続いていた中、なぜ飛行技術を教える教官たちによる特攻隊が編成されのでしょうか。

大刀洗平和記念館 藤上利美さん
「戦況の悪化によって飛行学校が統廃合されるようになり、大刀洗陸軍飛行学校も昭和20年の2月に廃校が決定しました。それによって、そこにいた教官助教たちが余剰人員になりました。その方たちの特攻編成が組まれた、命令が出たということですね」


特攻が重視される中、高度な飛行技術の教育は必要なくなっていったのです。

大刀洗平和記念館 藤上利美さん
「だんだんと教育をする期間が短縮されていきます。基礎教育に重きを置くというよりも、特攻作戦に向かうための訓練が多くなされていたという証言も残っています」

教官らによる特攻という戦争の実像が、沈没船の3Dモデルでより鮮明に見えてきました。

九州大学 菅浩伸 教授
「最初どうして教官隊が特攻に行くんだろうと疑問に思ったんですが、制空権を米軍に抑えられている中でもう飛行機乗りを育ててもしょうがない、ということ。もう衝撃的ですよね、震えるような衝撃です。しかもその教官隊に命令が下って行かされる。いや戦争というのは、こういうことをするんだなというふうに思いました」