「フォトグラメトリ」技術を使い立体的に復元
エモンズの調査を行った九州大学の菅浩伸教授のグループ。

全長100メートルを超える船を調べるために活用したのが「フォトグラメトリ」という技術です。

九州大学 菅浩伸 教授
「さまざまな方向から写真を撮って、撮った位置を逆に求めて、その物体を3次元で構築していくというテクニック。多数の写真を撮って、それを組み合わせて3Dを作るんです」

菅教授は2015年、自ら海に潜って1820枚の写真を撮影。

フォトグラメトリで3Dモデルを作成し、エモンズを立体的に復元することに成功しました。
その結果、当時の戦闘の状況が生々しく浮かび上がってきたのです

九州大学 菅浩伸 教授
「日本軍の特攻機はどちらから入って行き、エモンズがどう逃げようとしていたのか、行動が分かってきたわけです」
攻撃した特攻機を特定 陸軍の練習機?

3Dモデルで再現されたエモンズの砲門は水面方向を向いていました。
このことから特攻機は高度な飛行技術が必要とされる水面すれすれを飛んで突入していたと見られます。

さらに飛行機のエンジンが確認されました。

船のすぐ横には飛行機の車輪も落ちていました。

分析の結果、エモンズを攻撃した特攻機は陸軍の九八式直接協同偵察機だと分かりました。
旧式で速度が遅い偵察機。
派生型に練習機もありました。