日本三大船まつりの一つ「塩釜みなと祭」が7月21日に開催されます。

祭りに欠かせないのが神輿をのせる「御座船」です。

この御座船が「空を飛ぶ」?というので取材に行ってきました。

「御座船が空を飛んでいます!」といっても、実際に飛んでいるわけではなく大型クレーンで吊られている状態です。

6月、宮城県塩釜市のドックには、2隻の御座船鳳凰丸(ほうおうまる)と龍鳳丸(りゅうほうまる)が、祭り本番を前に造船所に運び込まれました。

毎年この時期に手入れが行われていて、職人たちが、船底についた貝や海草を丁寧に取り除いていきました。

東北ドック鉄工・馬場昭 船舶事業部長
「一年間、海上に係留していると色もあせるし、船底は汚れているので祭りの前に船の傷みを確認するという意味でも綺麗にして化粧直しをするのがいい」

塩釜みなと祭は1948年に始まり、神輿をのせて海を渡る鳳凰丸と龍鳳丸は、ともに1960年代に造られました。

国内に残る唯一の神輿専用船ですが、造船から60年以上が経ち、船の寿命は過ぎていると言われています。

東北ドック鉄工・馬場昭 船舶事業部長
「通常の船の寿命としては40年くらいと言われているので、傷んでいる部分も確かに出てきているのでそろそろリプレイスできれば」

こうした中、塩釜市や祭りの協賛会は、2年後の80回目の祭りに向けて御座船を新しく造る計画を立てています。

2隻で1億3000万円ほどの費用が見込まれていて企業版ふるさと納税などで寄付を募っています。

今後は、クラウドファンディングでも支援を呼びかける予定です。

塩釜みなと祭協賛会・志賀重信さん
「継続は力なりということで先人から受け継いだのを続けていく。そういう使命でやっている」

職人たちが手入れをしながら大切に受け継がれてきた御座船は勇壮な神輿海上渡御を披露します。

2025年の第78回塩釜みなと祭は7月21日に開催され、前日の20日には、恒例の花火大会も予定されています。