北陸能登復興支援映画 「生きがい/能登の声」の公開記念舞台挨拶に俳優の鹿賀丈史さん、常盤貴子さん、監督の宮本亞門さんが登壇しました。

2024年1月1日に発生した能登半島地震と、8か月半後に豪雨災害に見舞われた能登。本作は、能登でのボランティア活動を行って想像を超える災害と復興の遅れを目のあたりにし、「能登の今を伝えたい」と宮本さんが脚本・企画・監督を務めたショートフィルム。

30年ぶりにメガホンを取ることになった宮本さんは ‟能登にボランティアに行って、物を運んでいたら、「宮本さんはそんなことをしなくていい。あなたみたいな人はこの状況を外に伝えて、能登を忘れさられないようにしてほしい」って。その時に「私は報道でもなく、映画を撮る人間でもないのでできません」って言って東京に帰ったその数週間後に土砂災害が起きました” と回顧。
そして、 ‟いたたまれなくなって、無理かもしれないけど映画を撮りたいということを友人のプロデューサーにお願いして、色々試行錯誤がありましたが、あの景色を撮りたい。生々しい姿も撮って、人がどう生きるかを共に考えていきたいということで映画を撮ることになりました” と本作の経緯を明かしました。

今作は宮本さんの「能登の今を撮りたい」という思いから、セットは使わずに全て被災した家や景色の中で撮影。スタッフはヘルメットを着けて撮影を行っていたそうで、鹿賀さんは ‟普通の映画と違う感覚があって、全壊している家の前で芝居をしていると細かい芝居をするよりも気持ちさえ持っていれば大丈夫だと、余計な芝居をしないようにと心がけていました。人生の中で一番セリフが少ない映画でした。” と撮影を振り返りました。
石川県では6月20日から先行公開が始まっており、宮本さんにも反響が届いているようで、 ‟お手紙をいただいて、「おかげでまだ頑張れます」という言葉をいただいた時には「ぐわっ」ときました。映画を作ってよかったなと思えました” と語りました。

最後に宮本さんは ‟この映画を観て、ぜひ能登に遊びに行ってほしい気持ちと、震災は能登だけのことではなく、日本全国で突然起こることだと思います。突然家が無くなる。未来が無くなる。そして、どう生きていくのかというテーマが入っています。また、歳を重ねた人たちがどれだけ魅力的であるのかを感じてほしい。本来の日本のすばらしさをもう一回思い出してほしい” とアピールしました。
【担当:芸能情報ステーション】