タオルの自然発火で火災

2025年5月、大阪市中央区のマッサージ店で深夜2時に火事が発生しました。けが人はいませんでしたが、店は全焼しました。
店の代表が消防士に出火原因を聞いたところ、原因は「タオルの自然発火」だったといいます。
代表によると、出火の前日、店でアロマオイルの拭き取りなどに使ったタオル約30枚をスタッフがコインランドリーで洗濯し、乾燥機にかけました。
乾いたタオルを店の入口近くに重ねておいたところ、その約4時間後に自然発火したということです。

なぜ自然発火が起きたのか?

製品事故を調査するNITE製品評価技術基盤機構が実験映像を公開しました。

実験で、マッサージオイルをふき取ったタオルを洗濯して乾燥機にかけたところ、高温になった乾燥機の中のタオルから徐々に煙が出始め、激しく燃え上がりました。
実は、オイルに含まれている「不飽和脂肪酸」は空気中の酸素に反応して発熱する性質があります。
乾燥機の中など、高温の環境では熱がこもりやすくなり、発火する恐れがあると言います。
また、タオルを重ねて置いた場合も、内部に熱が蓄積し、自然発火することがあるということです。

市民防災研究所の坂口隆夫理事は、一般家庭でも十分に起こりうることだと話します。

恵俊彰:
アロマオイルは洗濯してもとれないんですか?

市民防災研究所 坂口隆夫理事:
完全に洗濯をすればとれると思いますけれども、やはり残ってしまいますね。アロマオイルばかりではなく、植物油などもそうです。
少し残っていると、空気との接触により酸化熱という熱が発生して、それが蓄積されて発火温度になると出火してしまう。

恵俊彰:
家庭でも起こりうることですか?

市民防災研究所 坂口隆夫理事:
そうですね。洗濯をして乾燥機にかけるとか、あるいは夏場に表に干した場合も相当高温になりますから。乾いたからと畳んだり熱が逃げないような状態になっていると、やはり出火する危険があるということですね。

要因となる「不飽和脂肪酸」を含むものには、アロマオイルの他に「床用ワックス」「サラダ油」などが挙げられます。