東日本大震災の発生から14年以上が経ち、教訓を後世にどう伝えるかが課題となっています。
そうした中、宮城と福島の大学生が、このほど宮城県石巻市の震災遺構を訪れ当事者ではない学生が、震災を伝承する意義などについて意見を交わしました。

宮城県石巻市の震災遺構「門脇小学校」を訪れたのは、東北大学や石巻専修大学、それに福島大学の学生ら14人です。

石巻で語り部をしている東北大学の杉山司さん(22)が、津波や火災の痕跡が残る校舎を案内し、あの日の出来事や自らの思いを同世代の学生に伝えました。

東北大学大学院修士1年 杉山司さん:
「普通の暮らしがあったのに一晩で一日ですべてなくなる恐ろしさ他の所を見るよりも特に自分の心にくる」

この後、学生らは、震災遺構を残す意味や当事者でない学生が震災を語る意義について活発に意見を交わしました。

学生:
「当事者でない私たちがどうやって語り継ぎを続けていくかという部分を考えて仕組みを作っていく必要があると感じた」

震災伝承に取り組む3.11メモリアルネットワークによりますと、震災発生から14年以上が経過し、伝承する人の高齢化が懸念されていて、若者も参加して、伝承を持続させる仕組み作りが急務となっているということです。

東北大学大学院修士1年 杉山司さん:
「いろいろな地域でいろいろな活動をされている方の多角的な意見を取り入れることができた」

福島大学3年 星心さん:
「被災地出身ではない私が語れることを探して語り継ぎ活動に参加していきたい」

3.11メモリアルネットワーク 中川政治専務理事:
「大学生らがそれぞれ自分事として考え始めているのを確認できた場になった。より広げていける可能性も感じた」

主催した3.11メモリアルネットワークは今後、岩手県でも学生同士の交流会を開きたいと話しています。