ハンセン病患者とされた男性が特別法廷で裁かれた、いわゆる「菊池事件」で再審(裁判のやり直し)をすべきかどうか判断するための審議が終わりました。

菊池事件は1952年、ハンセン病患者とされた男性が役場職員を殺害したとして、隔離先の特別法廷で死刑判決を受け、10年後に執行されたものです。

熊本地裁は2020年、この特別法廷が事実上非公開だったことなどから「憲法違反」としたものの、死刑判決自体には影響しないと判断していました。

これに対し男性の遺族は、男性の無実を主張して再審を請求し、弁護団は「凶器とされる短刀の特徴と遺体の傷が一致していない」との法医学者の鑑定書を新たな証拠として提出するなどしていました。

そして熊本地裁は7月7日、再審請求の可否について、全ての手続きを終えました。

弁護団 村上雅人弁護士「凶器を持っていた人が犯人であるというのが有罪判決の決め手。短刀が凶器でなければそれは成り立たない。無罪を言い渡すべき」
再審を行うかどうかは2026年1月末までに判断されますが、認められればすでに死刑が執行された人で初めての再審となります。