増える「高齢者世帯」と減る「子育て世帯」 社会の重心が大きくシフト
日本の人口動態を象徴する「高齢化」と「少子化」は、世帯構造にもくっきりとその影を落としています。
65歳以上の人のみ、またはこれに18歳未満の者が加わった「高齢者世帯」は1720万7000世帯で、全世帯の31.4%を占め、過去最高を更新しました。全世帯のおよそ3つに1つが、高齢者中心の世帯という計算になります。これは、団塊の世代が後期高齢者となり始めたことなどが大きく影響しています。
その一方で、18歳未満の児童がいる「児童のいる世帯」は907万4000世帯。全世帯に占める割合は16.6%と、こちらは過去最少です。1986年には46.2%と、全世帯の半数近くを占めていた子育て世帯は、今や6世帯に1世帯というマイノリティになりました。

増え続ける高齢者世帯と減り続ける子育て世帯。この対照的な二つの流れは、社会保障や労働市場、消費のあり方など、日本の社会システム全体の前提を大きく揺るがしています。社会の重心が、子育て世代からシニア世代へと不可逆的にシフトしていることを、調査は明確に示しています。
「単身化」「小規模化」「高齢化」という日本の世帯構造の大きなうねりが最新の調査では明らかになっています。私たちの暮らしのかつての“当たり前”が、今まさに変化しています。
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