昭和の時代に起きた地元の出来事を写真などで紹介する企画展が、岩国市の博物館「徴古館」で開かれています。
昭和元年から数えて今年が100年になることを記念して企画されました。昭和を生きてきた人に振り返ってもらい、生まれていなかった人にはどんな時代だったかを知ってもらう展示です。
昭和初期の本郷町の町並みを捉えた写真は、ほとんどの人が着物姿ですが、水路の位置は変わっていないことがわかります。
昭和4年に開業した西岩国駅は、当時はやりの木造洋風建築で、駅舎は平成18年(2006年)に国の登録有形文化財に登録されました。
昭和11年(1936年)のベルリンオリンピック三段跳びで金メダル、走り幅跳びで銅メダルを獲得した、岩国市出身の田島直人選手の活躍をたたえる写真と、メダルのレプリカも飾られています。
戦時中に使われた食料や衣服の配給切符や、空襲に備えて各家庭に配られたガラス瓶型の消火器は、生活の厳しさを思い起こさせます。
一方、家庭で使われていた道具や流行のファッション、女性向け雑誌の宣伝チラシや表紙などからは、当時の文化や風俗、暮らしぶりが伝わってきます。
岩国徴古館・末田陽香さん:「教科書などで学んだ際は戦争のイメージが強くなってしまうが、昭和レトロなどのかわいらしいイメージや、活気あふれるイメージがあると思った。そういう面を展示を見て体感してもらえたら」
昭和45年(1970年)の大阪万博を紹介する冊子や、大正から平成までを駆け抜けた作家・宇野千代さんなど、戦後の歴史を彩った資料も並べられています。企画展「昭和時代の岩国」は7月13日まで開かれています。