【体験者が語る熱中症(2)】何の前触れもなく、重度の熱中症に

●東京在住 50代女性
●2024年4月20日 最高気温26.1℃ 湿度48% 曇り
▼午前10時 朝食をとらずに子どもの屋外スポーツイベントに参加
▼午前11時頃から 1時間ほど、イベント進行のお手伝いやボール拾いなど忙しく動き回る
※この間に麦茶500mLを摂取
▼正午~午後3時頃 屋外で友人と座って3時間ほど談笑
※昼食はとらず、白ワインを小さな紙コップに半分ほど飲む
▼午後3時ごろ、トイレの前で座り込んでいるところを発見され、意識障害を伴う熱中症で救急搬送される
女性は「トイレに行った記憶も座り込んだ記憶もなく、「大丈夫?」という声が聞こえて答えようとして、声が出なかったことだけ覚えている」と話します。
病院で点滴を受けましたが、1人では歩けず、話すこともできない、また激しい頭痛が1週間続いたそうです。
いとう王子神谷内科外科クリニック 伊藤博道院長:
このケースは温度も26℃とそんなに高くないのでちょっと難しいんですけど、これを熱中症と診断するということは、体の中に熱がこもってる感じがするとか、あるいは客観的に見て深部体温が高いということがあったと推測されます。
もしそこまで深部体温が高くなかったと仮定すると、やっぱり脱水。
アルコールも飲んでいますから、利尿が起こってその脱水の要素が大きいのかなと。
脳の血流が落ちて酸素供給が十分に届かなくなる、糖も行き届かなくなる。朝ご飯を食べていないので、低血糖になっていた可能性もあります。
ですから血流が悪くなって酸素供給や糖の供給が不足して、意識が突然切れるようになくなってしまった。
予防のポイントは、先ほどの朝ごはんに加え、『先手先手で水分補給』をすることです。
定期的に水分を摂取するようにしてください。
弁護士 八代英輝:
経口補水液を予防的に飲むのはあまり意味がないと聞いたんですけど、いかがでしょうか?
伊藤院長:
ちょっと過剰な予防だと一般的に言われていますね。
スポーツ飲料を水やお茶と混ぜながら時々飲むのはいいと思うんですけど、経口補水液はちょっと濃すぎますので、予防的に飲むのは過剰なミネラルの補充になってしまいます。
ただ、熱中症になりかけの時や症状が出てきた時には、“飲む点滴”と言われてるぐらいですから効果があります。














