夏には成長・産卵をしない 「夏眠」は生存戦略

「バッタの仲間では、夏の高温かつ長い日照時間が続くと、成虫は夏眠し、卵は休眠状態に入って発生を遅らせる『卵休眠』が見られるものもいます」

「夏には産卵もしないし、卵も孵化しないという、まるでバッタの夏休みのように見えますね」

「これは真夏に産卵すると、卵や幼虫が乾燥して死んでしまうリスクが高いため、秋まで成長や産卵を待つという賢い戦略なのです」

ー害虫も「夏眠」してくれたらいいのですが、どうでしょうか。

「害虫にも夏眠を行うものがいます。たとえば、お米や乾燥食品害虫のコクゾウムシやノシメマダラメイガは、暑くて乾燥する夏は成長を止め、活動を抑えます」

「コクゾウムシの卵や幼虫も、高温乾燥条件下では発育を遅らせることが知られています。これは夏眠と同様に環境が落ち着くまでじっとしている戦略です」

「35℃を超えるとノシメマダラメイガ幼虫の発育は遅くなり、生存率も低下し、成虫は産卵しなくなります」

「どうやら、害虫も暑い夏には夏バテするようで、いわゆる猛暑日が続くと虫にとってはかなりのストレスです」

「とはいえ、お米は暑いところに置いておくと傷んでしまうので、一般家庭では、害虫が発生せず、かつおいしく保管できるのは冷蔵庫の野菜室がおススメです」