5月30日、被災した住宅や作業場などの建物を市が公費で解体、撤去する作業が始まりました。

公費解体は、多くの住宅が被害を受けた綾里の港地区や赤崎町の外口地区からスタートし、塩口さんの作業場の解体がいつ始まるかの連絡はまだありません。

(塩口秀男さん)
「早くここを片付けてもらって、片付ければ結局漁協から手配するプレハブだって運べるんで。だからもう一歩でも二歩でも進めるんだけど、まだ一歩も進んでないんでそこを早くしてもらいたいのが本音です」

こにあるのは少しでも早く来年のワカメ漁の準備をし、なりわいと生活の再建への見通しを立てたい塩口さんの切実な思いです。

(塩口秀男さん)
「機材、資材がないとできないけども、とにかくそれが準備できないと。結局ワカメが一番の生活の基なんで。そこでほとんどが決まるんで。だからそれまでにはというか、いち早く安心したいんですよね、準備して」

(塩口秀男さん)
「船外機が故障したんで仕方なくこの辺稼ぎます」

ウニ漁の解禁日、船のトラブルに見舞われた塩口さんですが、漁協と市から支援を受けた漁具を使い、近場の漁港付近で漁を行いました。
ウニの身を殻から外す「ウニ剥き」作業は被災を免れた自宅の庭で行います。

(塩口秀男さん)
「思ったより身は良いと思いますね、これ。こうやって見れば」

被災後の初漁はまずまずの結果だったようですが、これまでとは違う不便さも。

(塩口秀男さん)
「今までやってたところが無くなってこういうことしてるんでなんとも言えないですけど、早くそっちの方片付けてもらって、落ち着いたところでやりたいですね」

漁は再開したものの、まだ「一歩」が踏み出せていないと感じている塩口さん。

東日本大震災と今回の山林火災で二重被災した人もいるなか、漁業者の再建に向けた道のりは始まったばかりです。