2024年2月、札幌市北区のコンビニで刃物を持った男が店員を次々に襲い、1人が死亡、2人が重傷を負った事件。
殺人などの罪に問われた45歳の男の裁判員裁判が、6月23日札幌地裁で始まりました。

”統合失調症”による幻聴や妄想が犯行のきっかけとなった今回の事件。なぜ被告を止めることはできなかったのか、傍聴席で考えます。(HBC三栗谷皓我記者)
【#1 初公判の記事を読む】「女性が自分を避ける『異常』が起きている」コンビニで3人殺傷 被告の45歳の男が語った犯行動機「けだもののような顔つきに」母親が気付いた事件2年前の異変
■犯行の詳細が法廷で明らかに
「刺してみろ、殺してみろと恫喝的に言われた。どうすることもできず、手に持っているナイフを振り回して、自分に近寄らないよう抵抗した」
被害者の男性店員(当時60)が、証言台で語った宮西浩隆被告(45)の犯行の様子です。
男性自身も、宮西被告に胸や腕などを複数回刺されて重傷を負い、右手には感覚障害などの後遺症が残りました。

検察の冒頭陳述によると、宮西被告はレジにいた男性に「いつもこの時間って女性じゃなかったでしたっけ」と話しかけた後、刃物を取り出し、「何でやった」などと怒鳴りながら犯行に及びました。
住所不定の無職、宮西浩隆被告(45)は2024年2月、札幌市北区のコンビニで店の運営会社の社員だった40歳(当時)の男性の首などをナイフで複数回、突き刺すなどして殺害。
その後、店員2人にも大けがを負わせた、殺人などの罪に問われています。
逮捕後、検察は宮西被告の刑事責任能力を調べるために3か月間鑑定留置し、精神鑑定を実施。刑事責任能力が問えるとして、起訴していました。
裁判の争点は”妄想型統合失調症”だった宮西被告の刑事責任能力の程度です。