1)物価高騰が続く中、最も効果的だと考える対策を具体的にご提示ください。特に、消費税の見直し(減税・廃止・据え置き)や現金の給付策に関する具体的な方針と、その財源についてお聞かせください。
食料品の消費税ゼロを即実現し、物価高から生活を守ります。これは時限的なものでなく、恒常的に食料品は消費税ゼロをただちに行います。家計の消費支出に占める食費の割合を示すエンゲル係数は28.3%とOECD諸国でも日本は最高レベル、低所得世帯ほど食費の負担がさらに重くなっています。食料品の高騰が個人消費を押し下げています。このため物価高からくらしを守るため、食料品消費税ゼロを即時実現します。必要な財源は約5兆円、防衛費の引き下げや法人税・所得税の累進性の強化で十分賄えます。
そして、トランプ関税で日本の雇用に深刻な影響が出た場合は、3年間消費税ゼロを断行し内需拡大を図ります。
そのために使い途のない大企業の600兆円に膨れ上がった内部留保に課税することで、消費税減税の財源や中小企業の賃上げ支援の原資にします。中小零細事業者・個人事業者に重い負担になっているインボイス制度は中止します。
2)コメの安定供給のための具体的な政策をお聞かせください。
社民党は、ミサイルよりコメ、ミサイルよりくらし・生活を!を訴えています。
「令和の米騒動」は減反政策など長年にわたる自民党農政の失敗が原因です。
社民党は農家への所得補償を実現し、農家の所得を増やして農家を元気にし、米価安定と日本の食卓と地域コミュニティを守ります。
また、種子法の復活、休耕地の活用などで地域の農業を元気にし、後継者育成や若年層新規参入の支援などで小規模農家を活性化し、食料自給率50%を即時達成します。
そして、有機農業の推進で食の安全性も高めます。学校給食の全面無償化実現と地産地消の学校給食を支援していきます。
水田の集約化・大規模化で効率化をはかることでコメの生産性を上げるということを政府はしきりに推奨していますが、コメの耕作地面積、総生産者数、算出額の約4割が中山間地域が占めているという日本の国土の状況や農業の実態をまったく無視しています。
農地の大規模化・効率化優先では、日本の農業を復活させるどころか、かえって衰退させてしまいます。日本の実情にあった農業振興の施策が必要です。このためには小規模農家・零細兼業農家を含む所得補償および種子法の復活、休耕地の活用などで地域の農業を元気にし、後継者育成や若年層新規参入の支援などで小規模農家を活性化します。
3)現在の日本経済の最大の課題は何だと認識しており、その課題解決のために最優先で取り組む経済政策は何ですか。具体的に、いつまでに、どのような改善を目指しますか。
食料品を含めた高騰する物価高に実質賃金が上がらず、家計を圧迫していることです。一方で、年金は引き下げてられており、高齢者や低所得世帯などの困窮している生活を底支えするために、食料品の消費税ゼロをただちに実現し、かつトランプ関税で日本の雇用に深刻な影響が出た場合は、3年間消費税ゼロを断行し内需拡大を図ります。
これに加えて、物価高で困窮している生活を底支えするために、最低賃金全国一律1500円の早期実現と社会保険料の労使負担割合を1:3にして社会保険料を実質的に半分にして働く現役世代の手元に残る賃金・手取りを増やします。中小零細企業の負担増加分は国の公費助成で補填します。
基礎年金が老後の生存権を保障する機能を全く果たせていない現状を速やかに是正するために、月10万円の最低保障年金を全ての高齢者に給付する制度の導入を目指します。
くらし・生活が苦しい根本原因には、広がる格差社会があります。雇用は正規雇用が原則です。公務職場も含めて非正規労働拡大に歯止めをかけ、正規労働への転換を強力に進めます。社会を支えるケア労働者(介護職員、保育士など)の賃上げ、待遇改善をします。
社民党は政府が進める首切り放題の「解雇規制」の緩和に反対し大企業優先の労働法制改悪に反対し、働くひとたちの生活と権利を断固として守り、拡充します。
4)経済政策の実施にあたり、財政健全化と経済成長のどちらに重きを置きますか。また、プライマリーバランスの黒字化目標など、具体的な財政目標について、その達成時期などについてもお示しください
社民党は、ミサイルよりコメを!ミサイルよりくらし・生活を!ミサイルより平和を!
を訴えています。
国民のくらしや生活を支えるために緊急措置として国債を発行することは必要ですが、戦時中の時にように国債を乱発するような愚行を再び繰り返してはいけないと考えます。本来、建設国債の目的は、教育・福祉・防災などの国民の生活インフラ整備のために使われるべきであり、これを軍事目的に使えば、国民の生活向上・地域活性を阻害し財政赤字を将来世代に残す形になり、「戦争のための借金」となります。将来の子どもたちにツケを残すことになり、社民党は防衛建設国債の発行には反対しています。
自民党は巨額の企業献金を受け、大企業や富裕層のための政治です。5兆円だった防衛予算は、今や8兆7000億円。2027年には10兆円以上になる予定です。防衛予算だけうなぎ上り、教育、農業、医療・介護・福祉の予算が圧迫されています。教育、農業、医療・介護・福祉の予算は必要であり、増やしていくべきです。減らすべきは、膨大に膨れ上がっている防衛費です。
6月25日、NATOが、防衛費GDP比5%で米国と合意しました。この翌日、米国の報道官は会見で、北大西洋条約機構(NATO)が加盟国の防衛費を国内総生産(GDP)比5%に引き上げる新目標を決めたことをめぐり、アジアの同盟国や友好国について「同様にできるはずだ」と述べ、防衛費増に向けた期待を示した。また、これに先立ち日米の関税交渉の中で、米国が日本に対して、防衛費GDP比3.5%を要求してきていたことが報道で明らかになりました。
これは、とんでもないことです。故安倍首相が、第一次トランプ政権と防衛費GDP比2%で同意し、国会でその財源の根拠も示さずにその後の菅政権、岸田政権、そして石破政権と5年で、43兆円もの莫大な防衛予算の増額をし、社民党はこれに強く反対してきましたが、防衛費GDP比3.5%なんて!本当に悪い冗談はやめにしてもらいたい。断固反対です。
ちなみに、単純な試算ですが、仮にGDPが600兆円とした場合の試算:
GDP 比 2% → 8兆7000億円/年 ・・・5ヵ年で43兆円
(現在)
GDP 比 3.5% → 21兆円/年 ・・・5ヵ年で105兆円
GDP 比 5.0% → 30兆円/年 ・・・5ヵ年で150兆円
もし、そんなことになれば、間違いなく国の予算は破綻して日本は破滅してしまいます。
5)少子化が加速する中、子育て支援策として、どのような抜本的な対策を講じられますか。
「出生数68万人」、「国民負担率46.2%」、「実質賃金マイナス1.8%」・・・若者、現役世代を取り巻く社会情勢は深刻で、将来への絶望感が広まっています。今こそ、国や地方自治体などの公的支援を拡充すべきです。
大学までの高等教育の教育費無償化を実現します。無償化実現までは、奨学金を原則給付型として、一定期間の返済後は残債を免除する制度導入をめざします。また、インクルーシブ教育を推進し、国籍や経済状況、障がいなどを問わずすべての子どもが学べる権利を確立します。
そして、安心して出産・子育てできる社会にするために出産の保険適用や子ども医療費の無償化、保育料全面無償化、年少扶養控除を復活します。性別関係なく子育てと仕事ができるように改善し、若者・現役世代が希望を抱ける社会を実現します。
6)近年の政治資金をめぐる問題を受け、政治資金規正法の改正についてどのような姿勢で臨みますか。特に、企業・団体献金の是非について具体的にお聞かせください。
自民党は、いまだ裏金問題への説明責任を果たさず、曖昧にしたまま先の都議選で大敗しました。裏金問題への有権者の不信や怒りが重大な影響を及ぼした点が新聞各社の世論調査や報道でも明らかになっています。
一方、与野党で3月末までに結論づけることになっていた「企業団体献金」の有り方については、与野党がまとまらず先送りとなりました。自民党は企業団体献金を禁止せず、透明性を高める法案を衆議院へ提出しています。立憲民主党と日本維新の会は企業団体献金を全面的に禁止する法案を提出しました。国民民主党と公明党は、献金規制を強化しつつも企業団体献金を禁止しない方向性を示しています。非常に残念に思います。
「政治とカネ」の論戦の最中、4月に石破首相が自民党新人議員15名へ10万円の商品券を配布したことが発覚しました。総裁選で「政治とカネ」の問題へ厳しく臨むことを表明していた石破首相が、「政治とカネ」の問題を引き起こすとは甚だ呆れてしまうばかりだ。
石破首相は「法的に問題ない」と開き直っていたが、政治資金規正法が禁止している政治活動への寄付にあたる可能性があります。
さらに、その後、岸田前首相や第二次安倍政権でも自民党議員に対して商品券を配布していたことも発覚し、自民党の長年の金権体質が改めて明らかになった。
裏金問題などの反省を一切せず、今なお企業団体献金を残そうとする自民党は論外だが、野党がまとまれれば企業団体献金を禁止できる状況にもかかわらず、足並みを揃えない一部野党がいることは非常に残念です。自公が少数与党になった先の衆院選やこのたびの都議選の結果からも有権者や世論が求めていることは、自民党の金権腐敗政治を終わらせることであり、断じてうやむやにさせてはならない、ということです。
企業団体献金は、ただちに廃止!そのためには準国政選挙(正真正銘の政権交代のための)であるとされる、このたびの参議院選挙で、裏金・金権腐敗政治の自公政権を名実ともに野党へと追い込んでいかなければならない、と考え参議院選挙に臨んでいます。
7)憲法改正について、どのような立場をとられますか。改正に賛成の場合、改正の対象とする条項についてお聞かせください
社民党は、憲法を改正する必要はなく、「活かすこと」が重要だと主張しています。
今年は戦後80年、広島と長崎に原爆が投下されヒバク80年となります。日本は唯一の戦争被爆国であり、戦争を放棄した憲法9条を持つ国です。
社民党は、唯一の戦争被爆国として核なき世界を実現するためにこれからも日本政府に核兵器禁止条約の早期批准を求めていきます。武力や核兵器では平和はつくれません。
社民党は、いかなる理由による戦争に対しても断固反対し、日本政府がその先頭に立って努力することを求めます。
イスラエルのガザ攻撃を「虐殺」(ジェノサイド)と非難し、即時かつ恒久的な停戦を要求しています。イスラエルによるガザ占領政策の停止とパレスチナの人々の人権・権利保障を求めます。日本政府は、パレスチナの人権を守る立場を明確にし、国際社会と連携してイスラエルの占領政策を停止させるべきと提言しています。
戦争放棄をうたう憲法9条を持つ日本こそ、国際社会と連携してあらゆる戦争を止めるための平和外交を推進し、リーダーシップを発揮すべきであると考えます。
8)選択的夫婦別姓制度について、どのような立場をとられますか。導入に賛成ですか、反対ですか。その理由とともにお聞かせください。
社民党は、選択的夫婦別姓制度の導入に賛成です。
婚姻は、当事者の自由な意思で決めるべき問題です。多様な家族が共存する社会のために法整備を進めます。選択的夫婦別姓制度、および同性婚を早急に実現します。
男女の格差を是正します。すべての女性の人権が尊重され、安心・自立して暮らせる社会を目指します。
日本は、世界経済フォーラムが男女の格差を数値化した「ジェンダーギャップ指数」の値で世界118位(148カ国中)、G7の最下位という恥ずかしい状況です。クオータ制度を導入して女性の政治参画を推進するなど、ジェンダー平等のための制度の整備をはかり、多文化共生社会の実現を目指します。
9)今回の選挙戦で特に注力している選挙施策があれば教えてください。
社民党は、「Reboot 2025」と銘打ち「社民党が変わる、社民党が変える」というコンセプトで政党としてのアップデートをはかります。「Reboot」(リーブート)は「再起動」という意味の英語です。
そして、これにあわせて社民党は、新たな候補者を全国比例区に擁立することを決め、出馬の記者会見を6月30日、行いました。
社民党が社会党の時代からずっとぶれずに「護憲」「反戦平和」「市民の人権擁護」「労働者の権利保障」「格差是正」「脱原発」などの連綿たる活動の歴史を踏まえつつも、現代と未来に合った訴え方・伝え方を通じて社民党を変える、いわば「社民党を ぶれずに 変える」というコンセプトを表す象徴的な候補者です。
社民党は今回の参議院選挙「ぶれずに変える、あなたと」という訴えのもと皆さんと共に「政治が変わる、社民党が変わる」新しい旋風を起こしていきたいと考えています。