今から67年前、生まれた病院で他の新生児と取り違えられた男性がいます。取り違えの判明から20年以上、生みの親を捜し続けています。「生き別れた生みの親に、一目でも会いたい」と願う男性の思いを取材しました。

産院で取り違え「頭の中は真っ白 真実を知りたい」

「こちらにあった病院で、私が生まれたということですよね。そして取り違えがあったということです」

江蔵智さん、67歳。

1958年、この場所にあった「都立墨田産院」で生まれた直後、他の新生児と取り違えられました

江蔵智さん(67)
「毎年お正月、親戚が集まりますと、お前はどっちにも似てないなとよく言われた」

家族の中で自分だけが長身で一重まぶた「疎外感を感じていた」という江蔵さんは、14歳の若さで家出をし、飲食店などで住み込みで働くようになりました。

それから25年経った39歳の時、母親が受けた血液検査をきっかけに両親と血液型が合わないことが発覚

その後、DNA型鑑定をした結果、実の親子ではないことが分かったのです

江蔵智さん
「私の身体には、両親の血が一滴も流れていないと報告を受けたんですけど、頭の中は真っ白ですよね。真実を知りたい。父母のヒストリーを聞きたい。そこに尽きますね」