生活保護の支給額引き下げは違法だとして、受給者が取り消しなどを求めた裁判で最高裁は27日に「支給額の引き下げは違法」とする統一判断を初めて示しました。

生活保護をめぐっては、厚生労働省が2013年からの3年間でデフレによる物価下落などを踏まえて支給額を最大10%引き下げました。

この引き下げが、「健康で文化的な生活の維持」を保障する生活保護法に違反するとして、受給者たちが引き下げの取り消しなどを求めて全国で訴えを起こしています。

このうち上告された2つの裁判について最高裁は27日、「支給額の引き下げは違法」とする統一判断を示し、引き下げの処分を取り消す判決を言い渡しました。

熊本でも受給者33人が同様の裁判を起こしていて、熊本地裁は2022年に原告の主張を認め、処分の取り消しを命じましたが、福岡高裁は5月21日、「国の判断は裁量権を逸脱していない」と一審判決を取り消していました。

最高裁の判断を受け、熊本の原告が会見を開きました。
原告団 浅井勝也副団長「苦しい10年だった。でも今回勝ってようやく明るさが見えてきた」
今回、最高裁が統一判断を示したことで、熊本の原告の裁判にも大きな影響を与えることになり、国も対応を迫られることになります。