ヒトの血でなく花の蜜
石川県ふれあい昆虫館の学芸員、石川卓弥さんによりますと、この蚊はオス・メスともに血は吸わず、むしろ幼虫の時期は、他の蚊の幼虫であるボウフラを捕食するといいます。「他の蚊を駆逐するほど、捕食するわけではありません。成虫をよく見ると、口の先が曲がった特徴的な形をしていて、花の蜜などを吸います」
トワダオオカは北海道から本州、四国、九州に広く分布していますが、どこにでも生息しているわけでなく、樹洞(じゅどう)にできた水たまりなど、自然の豊かな場所に限られます。環境省のレッドリストに記載はありませんが、地域によっては準絶滅危惧種に指定されています。
昆虫館勤務27年のベテラン学芸員、石川さんが2018年に採集したトワダオオカの標本。別の昆虫を目当てに採集に出掛けたところ、偶然見つけた1匹を網で捕まえたといいます。














