「彼の前に立っても恥ずかしくないような人生を生きていきたいですし…会いたいですね、やっぱり率直に」。23歳の男性は、そう静かに語ります。

一生忘れない瞬間

3年前、信号待ちをしていた男性とその友人は、八田與一容疑者の運転する軽自動車に追突され、友人は命を落とし、彼自身も負傷しました。

男性は当時の衝撃を鮮明に覚えていて、それは3年経った今でも消えない記憶となっています。

別府市野口原 2022年

「やっぱり思い出すと、すごく恐怖心というか…今まで感じたこともないような痛みで、『もうここで死んじゃったな』と思い、殺人罪に即してもおかしくなかったぐらいの衝撃だったので、一生忘れない瞬間ですね」

けがから回復したあと、男性は念願だった1年間の海外留学も経験。充実した大学生活を送っています。その支えとなっているのが、亡くなった友人の存在だと語ります。

「挫折しそうになったこともたくさんありましたけど、そういうときにいつも『あいつだったらどうするかな』とか、『あいつだったらここをどう切り抜けるかな』とか、常に彼の存在がいつでもいたので」