隆盛するネット通販の裏で日本の物流が悲鳴を上げています。深刻な人手不足を背景に、何の対策もしなければ5年後、荷物の3割が届かなくなるかもしれません。「日本は物流後進国。私たちの意識を変えていかないといけない」と話す戦略物流専門家の角井亮一氏。持続可能な物流のあり方を、ともに考えます。

賛否両論「置き配でいい」「盗まれないか?」

ドライバーの大きな負担となっている再配達。政府目標は今年3月までに再配達率を6%に減らすことを目指しましたが、4月時点で8.4%にとどまっています。国交省は、有識者らによる検討会の設置を決め、「置き配」を標準サービスとする案を議論する予定で、当たり前だった「対面の手渡し」に追加料金を加えることも話し合う可能性があるということです。

街では賛否両論の声が。賛成派からは「ドライバーの負担が大きいと思うので良い」と現状に理解を示す意見が聞かれ、慎重派からは「一軒家はセキュリティが心配」「集合住宅なのに宅配ボックスが少ない」「荷物が盗まれないか」という不安の声もありました。