今回の噴火警戒レベルの引き上げで、新燃岳の警戒範囲は火口から3キロに拡大されました。
新燃岳の火口から3キロの範囲内には、鹿児島県霧島市に宿泊施設が1か所あります。
えびの高原は、およそ5キロ離れた場所になります。
そして、民家については、新燃岳の北西側の小林市では、瀬田尾地区の民家が火口から6.9キロの距離、東側にある高原町では、皇子原地区の民家が火口から6.5キロの距離にあります。
続いて、もし、火山が噴火した際はどのような被害が想定されるのか、主なものをまとめました。

まずは「火砕流」。高い温度の火山灰やガスが猛スピードで山の斜面を駆け下りてくる現象です。
続いて「大きな噴石」。数十センチ以上の岩石が風の影響を受けないで飛んでくる現象です。
そして、噴石のうち風の影響で流されるものを「小さな噴石」、直径2ミリ未満のものを「火山灰」と言います。
「灰」と呼ばれていますが、ガラスのようなものと考えてください。
さらに、噴火によって空気が振動し、衝撃波となって大気中を伝わるのが「空振」です。窓ガラスが揺れたり、割れたりする被害が起こることがあります。
それでは、現在の新燃岳の警戒・注意の範囲を確認しましょう。
気象庁は、「火砕流」は火口からおおむね2キロまで、「大きな噴石」はおおむね3キロまで達する可能性があるとしています。
そして、「火山灰と小さな噴石」については、風下側では遠くまで風に流されて降るおそれがあり、注意が必要です。
そして、空振については特に範囲は示されていませんが、2011年の新燃岳の噴火の際は、宮崎市でも窓が揺れました。
火山が噴火するとこのようにさまざまな被害があるということを想定しておく必要があります。