気象庁は、きょう(23日)午後6時半、鹿児島県と宮崎県にまたがる霧島連山の新燃岳の噴火警戒レベルを「2」から「3」の入山規制に引き上げました。

これについて気象庁は先ほど会見を行い、「自治体の指示に従って山に近づかないようにしてほしい」と呼びかけました。

気象庁によりますと、新燃岳ではこのところ地震の回数が非常に多くなるなど火山活動が高まった状態が続いていて、きのう7年ぶりに噴火が確認され、噴煙は一時火口から500メートル以上あがり、周辺の地域では降灰が確認されていました。

これを受け、きょう(23日)気象庁が現地調査を行ったところ、先月には検出されなかった火山ガスを検出し、火山ガスが急増していることが確認されたということです。

気象庁は新燃岳について、今年3月に火山性地震が増加したことなどから噴火警戒レベルを「3」としましたが、先月、火山活動が低下したとして「2」に引き下げていました。

しかし、火山ガスの放出量が1日あたり4000トン観測されたことから、「噴火に近づくような量のガスが観測された」として、再びレベル「3」に引き上げたということです。

新燃岳は、過去には2011年に爆発的な噴火が発生し、空気の振動で窓ガラスが割れるなどの被害が相次ぎました。また、2018年にも噴火が発生しています。

気象庁は「2011年や2018年の噴火の前に観測されていた山の地下深くの地殻変動と比べると、まだ変化量自体は小さい」とした一方、「爆発的な噴火の可能性も含めて火口から3キロの範囲では警戒が必要だ」としています。

そのうえで、▼火口からおよそ3キロの範囲は大きな噴石が飛んだり、▼さらに火口から2キロの範囲は火砕流が達したりする可能性があるとして、自治体の指示に従って山に近づかないよう呼びかけています。

さらに「爆発に伴う空気の振動で窓ガラスが割れるなどのおそれがある」として注意を呼びかけています。