本来大人が担うべき家事や家族の世話を9歳のころから経験した元ヤングケアラーの女性が体験を語り、地域の声かけの大切さを訴えました。
大分県別府市では23日、ヤングケアラーの支援活動に取り組んでいる京都府の高岡里衣さんによる講演会が開かれました。

市の社会福祉協議会が地域力の向上に向けて開催した中、高岡さんは市民およそ180人を前に9歳から24年間難病の母親のケアをした自身の経験を語りました。
(元ヤングケアラー高岡里衣さん)「学校行って試験勉強していても友達としゃべってその時楽しく笑っていても頭の半分くらいはずっとお母さんのことが気がかり、多感な時期であったので本当に常に憂鬱でした」
高岡さんは、ヤングケアラーの経験はその後の人生にも大きく影響するとして、子どもを見守る地域の環境が大切だと訴えました。
(高岡里衣さん)「ちょっとしんどそうにしているなとか最近、元気ないなって思ったら声をかけて気にかけてくれているというだけで、すごく勇気をもらえたり支えてもらっているなと思うので、それを皆さんにもしていただけるとうれしい」
2024年の県の調査ではヤングケアラーの疑いがある児童・生徒は県内で2100人に上ると推計されています。