自民党氷見市支部の党員リストに記載されていた複数の人が党費を払っていなかった問題。2016年の支部の会計責任者は、「市議から党費の肩代わりがあったと聞いた」と話し、肩代わりの要因に党員獲得のノルマを挙げました。当時、支部長だった堂故茂参議院議員は肩代わりやノルマの内容について「知らない」と事務所側が文書で回答しました。

この問題は自民党氷見市支部の党員リストに記載されていた157人のうち、2015年から23年にかけて党員だった複数の人が党費を払っていなかったものです。

氷見市支部では党員それぞれに担当の議員がいて、担当議員が年末に党費を回収し、支部を通じて県連に納める仕組みになっています。

議員が党員の党費を肩代わりしていたとすれば、公職選挙法が禁じる選挙区内の有権者への寄付となる恐れがあります。

2015年から22年の党費については支部の活動費から支出した疑いがあり、執行部が調査しています。

2023年の100人前後の党費約28万円は前の支部長で堂故茂参議院議員の秘書、薮田栄治氏が私費で肩代わりしたとされています。

2016年に支部の会計責任者だった男性は私たちの取材に応じ党費の肩代わりについて――

自民党氷見市支部の元会計責任者
「私が入った頃はわからなかったんですけど、年月が経っていくごとにやっぱり市会議員からそういう話もちらっと聞いたりしたもんですから」
毛田千代丸キャスター「どう思いました?」
自民党氷見市支部の元会計責任者
「それはそれで仕方ないかなと思った。市会議員のノルマがありますから」

党費の肩代わり…背景には“ノルマ”

当時、氷見市議から党費の肩代わりがあることを聞いたと証言し、肩代わりの要因に党員獲得ノルマを挙げました。

嶋田茂支部長に元会計責任者の発言について質しました。

毛田キャスター
「党費の肩代わりがあったということを当時の市議から聞いたという発言がありました。今調査している中で、この肩代わりがあるのは事実なんでしょうか」
自民党氷見市支部 嶋田茂 支部長
「誰から聞いたのかまず分かりませんし、(市議を)辞められた方もおられたりとかしますので、それに関してはちょっと分かりませんね」
毛田キャスター「党員獲得のそのノルマがあったと。そのノルマが肩代わりにつながったんじゃないかということをおっしゃってました。まず具体的にノルマはあるんでしょうか」
自民党氷見市支部 嶋田茂 支部長
「まあ数字的な部分はあります。大体の目安ですけど」

2016年6月まで堂故議員が支部長を務め、それ以降は当時県議だった秘書の薮田氏に代わっています。

堂故議員は5月26日、氷見市支部の支部長時代、党勢拡大に力を入れていたと説明。

支部長時代の党費肩代わりの有無については「ずいぶん時間の経っている話なので、何とも言えない」とし、当時の党費の流れを調べ、支部に報告するとしていました。