フジテレビ会見との違いは「会社側の主体的調査」と「コミュニケーション」

南波雅俊キャスター:
今回の会見では言えないことが非常に多かったです。フジテレビの会見の際も、なかなか答えられないということでかなり紛糾しました。フジテレビの会見との違いはなんでしょうか。

レイ法律事務所パートナー弁護士 河西邦剛さん:
決定的なポイントは、「会社が主体的に調査をしている」というところです。事案を申告した人と、会社側がコミュニケーションを取れているということが大きな違いかと思います。

1月のフジテレビの会見のときは、まず週刊誌報道が先行し、会見を開きました。当時の社長やフジテレビ側は、被害を受けた元女性アナウンサーと十分なコミュニケーションが取れてなかったわけです。その結果、「隠蔽体質」という声が噴出し、スポンサー離れに繋がっていきました。

今回は、おそらく被害者的立場の人や関係者から、日本テレビに報告が上り、今でもコミュニケーションが十分取れているのだと思います。

もし仮に、被害者的立場の人が「どういった事案なのかについては明らかにして欲しくない」と話しているとするならば、会社が事案内容を言ってしまうということはあってはならないので、「内容については言えない」という会見になることは、致し方ないと思います。

山内あゆキャスター:
今回は企業の対応として、どう受け止めていますか。

レイ法律事務所パートナー弁護士 河西邦剛さん:
できることを非常にやっていると思います。

日本テレビが覚知したのが5月27日、国分氏に伝えたのが6月18日ということで、日本テレビは3週間近く厳密に調査をしています。弁護士が入り、おそらく関係者などにどのような被害があったのか、ヒアリングや物的証拠について裏付けを進めているんだと思います。

刑事事件や懲戒処分においても、対象者の話は一番最後に聞きます。証拠や証言を固めていき、18日のタイミングで国分氏に伝え、国分氏が内容についておおむね認めたという経緯かと思います。

南波キャスター:
専門家弁護士の立場から見て、このスピード感はどうですか?

レイ法律事務所パートナー弁護士 河西邦剛さん:
結論、わからないです。つまり、遅いとも早いとも言えなくて、事案の内容次第になってきています。ですが、遅滞してる印象は受けないところではあります。

ただ、6月のタイミングで株主総会が開かれるので、それより前のタイミングで発表したかったということはあり得るかとは思います。

日比キャスター:
国分氏に伝えたのは6月18日ということもわかりましたが、福田社長からは「我々が調査・認識していることについて(国分氏に)確認したところ、『このようなことになってしまい大変申し訳ない』との言葉をもらった」と明かされました。

国分氏がこの問題について認識していたのは、「6月18日が最初だった」とみていいんでしょうか?

レイ法律事務所パートナー弁護士 河西邦剛さん:
国分氏が、否定しなかった旨は話しているので、事実関係は争ってはいないようです。

認識として、国分氏は重大事案だと思っていなかった、自分がしたことがそこまで重大ではなかった、というふうに認識してた可能性があると思います。