河西弁護士「会見のポイントは、今回のトラブルの発端は何だったのか」

日比麻音子キャスター:
20日午後1時、日本テレビの福田博之社長が会見を行いました。
被害者の有無やどんな事案なのかに関しては、「プライバシー保護の観点から申し上げることはできない」と繰り返した形になりました。

冒頭、福田社長はこの会見を行った理由について、「30年近く愛してもらった番組で起きてしまったことなので、私自身が申し上げると判断した」と話していました。
しかし、「申し上げられない」という内容ばかりで詳細がほとんど見えてきませんでした。こういった会見を企業としてなぜこのタイミングで行ったのでしょうか。
レイ法律事務所パートナー弁護士 河西邦剛さん:
テレビ局の危機管理というのがあるかと思います。フジテレビの件でも当初、「隠蔽体質」という声が非常にありましたので、これを払拭したいというところがあったのではないでしょうか。
では、なぜこのタイミングで記者会見を開き、「申し上げられない」という発言が多かったのか。ここでポイントになってくるのは、“今回のトラブルの発端は何だったのか”ということです。
今回は、週刊誌報道が原因になっているわけではなく、日本テレビ内部から上がってきた声として始まり、5月下旬以降、日本テレビの方が主体的に調査をして、発覚したということだと思います。
そうすると、声を上げた被害者的立場の人が、例えば「今回のトラブルの内容について明らかにして欲しくない」という声があるとするならば、それは最優先するべき事項です。なので、場合によってはそういった観点から、「内容についてはお伝えできない」ということが多かったのではないでしょうか。