■「アメリカの利上げに連動して日本の固定金利も上昇」


国山ハセンキャスター:
支払額を大きく左右する金利ですが、これまでの住宅ローンの金利の推移をみてみます。まず固定金利は上昇していまして、1.54%、そして10年固定で1.20%となっています。

小川彩佳キャスター:
この固定金利が上がっている背景には改めて何があるんでしょうか?


住宅ローン比較サービス「モゲチェック」取締役COO 塩澤崇さん:
固定金利は長期金利、これを踏まえて決定されます。この長期金利が、米国の利上げの影響を受けて上がってるんですね。なので日本の固定金利も上がっているというそういう状況です。

小川キャスター:
連動してということですね。今後もそうしましたら固定金利は上昇する可能性があるということでしょうか。

塩澤さん:
そうですね。私はあの上昇するというふうに考えております。まだまだアメリカの利上げが続きますので、日本の固定金利もそれに連動して、上昇する余地というのは十分あるかなと思いますね。

■“低い変動金利”は?「賃金が上がると金利が上がる可能性」


国山キャスター:
一方で、現在7割の人が利用している変動金利の推移ですが、こちらは下落傾向でして0.44%です。変動金利は日銀の政策金利によって決まります。現在、日銀の黒田総裁はマイナスになるよう金利を人為的に抑えているような状況ということですね。

小川キャスター:
現在住宅ローンは変動金利で借りている方の方が多いですか?

塩澤さん:
そうですね。多い銀行ですと8割9割くらいが変動金利という形ですね。

小川キャスター:
この変動金利が今後上がるかどうかは、日銀がどう判断するかにかかってきますけれども、これはどうご覧になっていますか?


塩澤さん:
このまま低金利がずっと続くわけではないですけれども、すぐに上がるとも思わないというところですね。これどういうことかといいますと、賃金が上がると金利が上がる可能性というのがあります。黒田総裁が持続的なインフレ2%の達成をするまで金融緩和を続けるぞ、というふうに宣言しています。具体的には、良い経済のサイクルが回っていることなんですね、賃金上昇を起点として、それによって需要が伸びると。需要が伸びると物の取り合いになりますので、物価が上がりインフレになります。そしてインフレになると企業の売り上げが伸びます。企業の売り上げというのは、単価×件数ですので、その単価である物価が上がると、売り上げも伸びると。そうなると賃金も上がるという。この良い経済が回ってるっていうのが非常に大事です。

残念ながら、この中で欠けているものが、賃金の上昇なんですね。なかなか日本は、過去30年ぐらい賃金が上がってないという状況なんですけれども、もし賃金が上がっていて、上がり基調が維持できているというふうに確認できれば、日銀としても金融緩和を続ける必要ないよねと。テコ入れする必要ないよねというふうになりますので、金融緩和を解除する方向に舵を切るかなと。そうなるとそれに連動して、変動金利も徐々に上がっていく。こういったシナリオが考えられます。

小川キャスター:
そこが判断の基準になっていくわけですね。変動金利が上がるのは段階を踏んでということになるわけですか?

塩澤さん:
そうですね。マイナス金利からゼロ金利、ゼロからプラスへという形になっていきます。