■厄介者の海藻が「スーパーフード」に?
静岡市駿河区の用宗海岸。海から引き揚げられたのが「アカモク」という海藻です。2020年から、静岡県内で収穫が始まりました。清水漁協用宗支所・青社年部 石田啓祐 副部長:
昔から生えてはいたが、これが食べられるとはみんな思っていなくて、シラスの網にかかってくる、そういう“厄介”なものだった。
アカモクはもともと船のスクリューやカキの養殖施設に絡みつく「厄介者」とされ、用宗ではシラス漁の網に紛れ込むなど、漁師たちを悩ませていました。しかし近年、アカモクに含まれる成分が免疫力の向上や脂肪燃焼の助けになるとして注目され、いまや「スーパーフード」として人気が高まっているのです。
■「静岡の新たな名産品に」高まるアカモクへの期待
漁港から程近い「サリーズカフェ」では、用宗産のアカモクを使った料理を提供しています。「アカモクしらすコロッケ」は、女性を中心に大人気のメニューです。記者:
アカモクのネバネバ感とシャキシャキ感がくせになりますね。海藻特有の臭みも全然ないですし、衣との相性も抜群なので、子どもから大人までおいしく食べられそうです。
収穫時期は3月から4月ごろまでと短く、アカモクの料理はなくなり次第終了となります。用宗漁港ではシラスの漁獲量が年々減少していることから、「アカモク」を静岡の新たな産業にしようと、漁協や飲食店が協力してアカモクを使った料理を地域をあげて売り出しています。
「サリーズカフェ」仁科斉店長:
サクラエビも駿河湾では不漁になっているので、漁師の新しい収入源として地域の新しい産業として、アカモクを利用して、新たな静岡発の名物として世に出していきたい。
「厄介者」から「健康食材」に、そして「スーパーフード」へ。静岡の新たな名産品にと、アカモクへの期待が高まっています。