にいがたケンジュプロジェクト。今回は生まれた子どもへたっぷり愛情を注ぐために大事な妊産婦の心のケア、『産後うつ』を防ぐためにはどうしたらいいかについて考えます。

新たな命を授かる喜びの一方で母親を悩ませるのが『産後うつ』です。

【万代メディカルクリニック 茂木崇治 医師】「(産後うつは)赤ちゃんに対する愛情が下がってしまうと言われてます。または抑うつ症状のせいで正常な思考力や集中力が下がってしまっているために、最悪の場合、自殺っていうところにたどり着いてしまう方が少なからずいらっしゃるというのが現状です」

こう話すのは周産期メンタルヘルスに詳しい万代メディカルクリニックの茂木崇治 医師です。
出産した女性100人のうち10人~15人が発症するという『産後うつ』

症状としては、元々楽しいと思えたことに興味が湧かなくなってしまうことや、なんとなく落ち着かなく焦る気持ちがあること、さらに不眠や食欲不振、自責感にかられるとことなどがあげられます。出産後1か月から、長くて12か月の間に発症する『産後うつ』ですが、妊娠中から注意が必要です。

【万代メディカルクリニック 茂木崇治 医師】「実は産後うつというのは50%くらいは妊娠中から発症していると言われている研究データもありまして、妊娠中の産後うつ、周産期の全体としてのうつ症状というのを早期に発見して、早期に介入して治療していくというのが非常に大事だと言われています」

『産後うつ』は育児やパートナーとの関係性、職場の受け入れ環境などさまざまなことに関する不安が引き金になるといいます。

【万代メディカルクリニック 茂木崇治 医師】「1人の時間とかものすごく心配だとおっしゃる方が非常に多くて、24時間見守らなければいけないのはそうですけども赤ちゃんのことを自分自身が元々楽しんでいたことをもう一度1回思い出して、5秒でも10秒でもいいからリラックスする時間を作る」

不安が大きいときは専門家に頼ることも重要です。茂木医師が代表を務める『ファミくるケア』では、助産師や精神科医らによるオンラインでの相談を24時間365日受けつけています。

【ファミくるケア 助産師 高橋萌さん】「年齢も本当に若い方から最近は高齢出産の方も増えてきているので、そういった皆さん違う状況の中で、いろんな情報があふれてしまっていて、自分に合った情報を本当にピックアップするというのがすごく難しい。それによってより不安になってしまったりっていうことが本当にあると思います」

最近は、不妊治療について誰にも相談できずに一人で悩んでいる人も多いそうです。
【ファミくるケア 助産師 高橋萌さん】「専門職に頼ることで、ちょっとでも気持ちが楽になったり、少しでも本当つらい出産・育児ではなくて、楽しいものだとか幸せなものだという、そこを感じてもらえるようなサポートがしていけたらいいなと思います」