台湾と中国の民間交流を拡大することを目的としたイベントに出席するため、台湾の馬英九元総統が、中国・福建省を訪問しました。馬元総統は中国に融和的な姿勢で知られ、中国側は統一にむけた支持を強化する狙いがあるとみられます。

馬英九元総統は14日、福建省・厦門市を訪れました。今回の訪問は、台湾と中国の民間交流拡大を目的とした「海峡フォーラム」に出席するためで、15日のフォーラムで馬元総統は「台湾の若者が中国大陸に行くことを奨励するだけでなく、中国大陸の人々にも台湾を訪れてほしい」と述べ、民間交流が敵意を減らすカギだと強調しました。

馬元総統は、フォーラムの出席前に中国共産党序列4位の王滬寧政治局常務委員と面会。台湾メディアによりますと、面会で王氏は、馬元総統を「台湾独立に反対する、愛国的な統一主義者だ」と評したということです。

馬元総統が中国を訪問するのは、これで4回目です。

中国は「一つの中国」の原則により、台湾統一を掲げ、頼清徳総統率いる台湾の民進党政権を“独立派”とみなしていて、軍事演習などを通じ圧力を強めています。

中国に融和的な馬元総統を招待することで、交流をアピールし、統一にむけた支持を強化したい狙いがあるとみられます。