「毎日が困りごと」「名前が増殖」海外在住女性の叫び
日本企業の海外展開支援などをする団体で、インドネシアの事務所長として勤務する斎藤和子さんも、旧姓の通称使用の拡大に疑問を持つ一人だ。
インドネシアでは書類に戸籍名を書くことが求められるが、旧姓の斎藤で仕事をしているため、旧姓を併記せざるを得ない。

斎藤和子さん
「4つの名前を使い分けていることになります」
パスポートの姓の欄には「MASUDA(SAITO)」と表記され、サインは「斎藤和子」を使っている。
インドネシアの行政関連の書類には「SAITO」の表記はなく、「KAZUKO MASUDA」のみ。

一方で、銀行口座の名義は「SAITO」も表記されるが、勤務先で使う銀行では、「Kazuko Masuda(Saito)」。日常生活で使う銀行では、「Kazuko Masuda Saito」。さらに…
斎藤和子さん
「銀行口座の方の括弧は、隙間なく、すぐに括弧だったのですけれども、労働許可証の方はデータできたものをクリックしたところ、括弧の前に半角スペースがあった」
山本キャスター
「それって全部斎藤さんご自身で覚えているのですか」

斎藤和子さん
「覚えてないですし、覚えるのも一苦労です。いま、自分がここでどう名乗るべきか、いまここで自分は何と書くべきか、このサインでいいのか、そういうことをいちいち考えなくてはいけない。毎日が困りごと。どんどん名前は増殖していっています」
山本キャスター
「『名前が増殖する』という言葉を初めて今、耳にしたのですけど」
斎藤和子さん
「生産性、激下げなんですよ。こんなことしているより、普通に仕事したい。ものすごい重りつけて、走らされているみたいな」
斎藤さんは旧姓の併記について。

斎藤和子さん
「旧姓併記というのは、はっきり言って代替。出来の悪い代替物でしかなくて、選択的夫婦別姓の代わりに旧姓併記を拡大してほしい、という方はいらっしゃらないと思う。こちらとしてはシンプルに改姓したくない。なぜ使い分けたくないかと言われたら、使い分けたくないからだとしか言いようがない。
むしろ、私の方が逆に伺いたいのは、どうして改姓させたいのか。どうしてそこまで使い分けさせたいのかについて、もっと取り上げられるべき。私たちは十分、言ってます」