「フェアじゃない状況をずっと女性に強いていた」妻の姓に改姓した男性は
選択的夫婦別姓を早期に実現すべきと声をあげる男性がいる。

一級建築士の秋山怜史さんは、妻と子ども2人の4人家族だ。
秋山さんは2024年3月、大きな決断をし、妻の姓に変えた。建築士の免許には、秋山を旧姓として表記している。

妻の旧姓に改姓 秋山怜史さん
「妻の方は自分の元々の姓にこだわりがあったし、強いアイデンティティを持っていて、この家族で生きていくと考えたときに、最善の策として、妻の旧姓に戻すというのが家族としていいことだと思って、僕の方から提案しました」
山本キャスター
「気づいたタイミングとかあったのですか」
妻の旧姓に改姓 秋山怜史さん
「選択的夫婦別姓、もっと本当は早く実現すると思っていたが、一向に実現しない。なかなかその当時も、法案提出までいかない。変えるタイミングがなくなるなと思って、思い切って変えましょうと」
結婚8年目、引っ越しのタイミングで改姓した秋山さん。すでに名字が変わっていれば、子どもの転校先でも、影響は少ないと考えたという。
だが、改姓するにあたっては、一度離婚をして再婚しなければならなかった。仕事上で様々な面倒がかかることになった。

妻の旧姓に改姓 秋山怜史さん
「建築士の免許の書き換えもタイムリーにできなくて、いくつか書き換えなければいけない書類があって、全部終わるまでにやっぱり半年ぐらいかかって。会社の経営と、NPOの経営、さらに国家資格を持っているので、それも全て手続きをして、変えていかなければいけない」
山本キャスター
「それを経験した上で、多くの場合女性が改姓をしているじゃないですか。女性に対して何か感じましたか」

妻の旧姓に改姓 秋山怜史さん
「非常に申し訳ないことをずっとやっていたんだな、というのは強く感じました。この煩雑な改姓による手続きは全て、ほとんど女性が請け負っていた。フェアじゃない状況を、ずっと女性に強いていたというのは、非常に強い反省が私自身もありました」
改姓して秋山さんが感じたことは。

妻の旧姓に改姓 秋山怜史さん
「男性というだけで、下駄履いて生きているようなもの。あらゆるところで、男性の方がスムーズに生きやすい世の中になってしまっている。下駄を脱ぐことを、男性側が恐れているのではないかと、すごく感じます。本当の人間関係、家族関係、フェアな公正な家族関係を築くためには、下駄を脱ぐ勇気を男性側が持つべきなんだろうな、と強く思います」