世界TOP18チームが参戦しているバレーボールネーションズリーグ。前回、銀メダルの男子日本代表(世界ランク6位)はセルビア(同12位)に3ー0(25ー20、25ー23、26ー24)のストレート勝ちを収め、今大会2勝1敗となった。この試合の解説を務めた元日本代表の⼭村宏太(44)さんに試合の振り返りと日本時間15日に行われるオランダ戦(同14位)の見どころを聞いた。

土井敏之TBSアナウンサー:
バレーボールネーションズリーグ日本対セルビアの解説は元日本代表のミドルブロッカーそして、サントリーサンバーズでは監督も務められていました山村宏太さんでした。山村さんどうもありがとうございました。

山村さん:ありがとうございました。

土井アナ:
もう今日ゲーム中に、ミドルブロッカーに村山豪がいるんで、“村山”と“山村”が混ざりそうになっちゃって大変でした。

山村さん:
僕も思ってました。“山村”“村山”が…言いにくいなと思いながら、しょうがないなと思いながら、なるべく“豪くん”とか違う言い方でごまかしてました。

土井アナ:
さて今日のゲーム、日本は結果的には3対0でしたが、どうご覧になってましたか。

山村さん:
そうですね。やはりそのブロックディフェンスっていうとこに一つ課題があるかなと思ってたんで、その1点に関してはかなりよく対応できたと思ってます。両サイドの攻撃ですね。今度はその真ん中のクイックに対して、ブロックディフェンスというのが課題になってくるかなと思っています。

土井アナ:
いいですね、でも課題が見えてくる、それを一つ一つ潰していくことがチーム力の向上になりますよね。

山村さん:
そうですね。ロラン・ティリ監督になってからまだ3戦なので、急に完璧なチームが逆に怖いので、この伸びしろを埋めていきながらこの選手の起用であったりとかいろんなことが見えてくると思うんで、課題が見えない方が怖いですね。

土井アナ:
試合中なかなかそこまで言及できなかったんですが、後ろの選手の変え方。ラリーに変えて、リリーフサーバー富田将馬。富田がそのまま残って、リベロ誰入れんのかなと思ったら、甲斐優斗を外してあそこに入れるとか、あれは今まで中々なかったですもんね、今まで。

山村さん:
今まであんまりやらないっていうか、リリーフサーブをミドルに送ってそのまま戻すっていうのがセオリーだったんですけど、ああいう使い方をすれば富田くんを長くコートに置けるっていうのと、甲斐くんを一旦休ませてあげることができるっていうのは一つありな方法かなと思いましたね。

土井アナ:そしてもう1人、セッターの大宅真樹はいかがでしたか。

山村さん:
彼のこの代表にかける思いってのはもう、所属クラブのとき僕は監督としてやってましたんでわかってるつもりなんですけど。その思いが強すぎるからこそ衝突することも実際あって、実は代表に行くか、我々はアジアクラブの方がありましたので、代表の方から『返して欲しい』っていうところで、ちょっと協会とも喧嘩ではないんですけど、もめてしまったこともあったんで、彼の思いっていうのちょっとうまく汲めないときがあったんでね、そういうときは喧嘩に近いことになったりしたこともありました。

土井アナ:
それだけでも、大宅も今までその関田誠大がいてなかなか出ることができない。そして最終的にはそのパリオリンピック™、大事なオリンピックには深津旭弘が選ばれていた。そういう悔しい思いもずっとあったわけですよね。

山村さん:
そうですねその頃には、やはり「もう自分はもうオリンピックに縁がない」っていうので、かなり腐ってる時期もあったんですけど、彼自身が奮起したのはありますけど、私の方も彼といろんな話をして、やはりオリンピックを目指すアスリートとしての本懐といいますか、役目じゃないかという話もして、重ねて今回それを彼がね、もう一度掴み取りたいっていう思いでやってくれてるので、このチャンスを生かしてほしいなとは思ってます。

土井アナ:
逆に大宅もパリオリンピックにベテランの深津さんが選ばれたということは、自分にもこれパリで終わりじゃなくてその次があるんだと思えたというふうに話をしてましたね。

山村さん:
そうですね、彼はもう次の五輪で最後って言ってますけど僕はまだまだその先も目指せると思っているので、今、アスリートの選手寿命っていうのはかなり伸びてきてますからその自分の限界を決めるのではなくて、あくまで通過点の一つという捉え方でできる限りやってほしいなと思います。

大宅真樹選手